航路線量計算システム

関連情報<健康に係る疫学研究>
欧州では、民間航空機乗務員数千人〜数万人を対象にした疫学研究が実施され、興味深い知見が報告されています。例えば、航空機乗務員における皮膚がん(黒色腫と非黒色腫)は、いずれの種類についても死亡率や罹患率が一般集団と比べて高いことが知られています。また、フィンランドの調査では、女性客室乗務員の乳がんの罹患率が一般集団と比べ有意に高いことなどが報告されています。原爆被爆者について放射線被ばくとの関連が明瞭な白血病については、まだ確かなことは言えないようです。
一方、航空乗務には、放射線だけでなく様々な物理的、化学的、精神的なストレスを伴うため、放射線の影響だけを検出することは困難です。また、乗務員として働けるのは健康な人だけであるため、悪性腫瘍(がん)全体の死亡率などを一般の人々と比較した場合、それらが見かけ上低く現れてしまうことがあります。喫煙や飲酒などの因子の影響を除くことも重要ですが、因子ごとに分類して解析調査できるだけの人数がいないという「検出力不足」の問題があります。
今後の研究課題の1つとして、乗務員の健康に影響を及ぼす様々な因子の作用を考慮・制御しながら、信頼できる被ばく線量値に基づいた因果関係の解析が望まれます。


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