第二に、放射線には物を通り抜ける性質がありますが、放射線の種類によってその透過力は異なります。例えば、放射性物質から出てくるα
線は、空気中なら数cmで止まってしまいますし、1枚の紙で止めること
ができます。β線なら0.5mm位のアルミの板で止めることができます。
ところが、γ線はコンクリートの壁や、鉛などの遮蔽材で、その量を減
らすことはできますが、完全に止めることはできません。コバルト− 60
のγ線は30cmのコンクリートでも、約1/10は通り抜けてしまいます。
一般に、α線やβ線だけでなく、加速した電子線、陽子線、重イオン
線など電荷を持った放射線は、直接電離放射線と呼ばれ、その透過力あ
るいは透過厚さは、粒子の種類やエネルギーによって決まってきます。
一方、X線やγ線、中性子線など電荷を持たない放射線は間接電離放射
線と呼ばれ、透過物質の厚さと共に減少しますが、完全になくなること
はありません。もっとも十分厚い壁で遮蔽され、普通の自然放射線の量
と同じくらいになれば、透過量を知ることは難しくなります。
加速器などで人工的に作り出す放射線には、もっと高いエネルギーの
荷電粒子もあって、エネルギーは低下しますが厚い物体を通り抜けてし
まうこともあります。また、その荷電粒子が原子核反応により2次的に
放出する放射線には電荷を持たないものもあるので、厚い壁でも僅かな
X線やγ線、中性子線などが通り抜けてくることもあります。X線や中
性子線でも、エネルギーが高くなれば透過力も増します。