現在HIMACは、昼は炭素(C)ビームを用いる治療に、夜間及び週末は共同利用実

験に利用されています。実験においては、H〜Arにまたがる様々なイオン種が要求さ

れており、最近では3台目のイオン源として既に導入した18GHz-ECRイオン源から

FeやKrの重いイオンも供給へ向けての調整が最終段階にきており、供給可能なイオン

種が増えつつあります。

 HIMACには、このイオン源に加えて既に稼働中のPIGイオン源と10GHz-ECRイオ

ン源の合計3台のイオン源があります。一方、ある日の時間帯に利用可能な実験室は

3コースあり、ライナックと2つのシンクロトロンからビーム供給が可能です。一般

的に、各実験グループは多様なイオン種を希望するので、マシンタイムの中でその希

望が一致するグループが(なるべく)同じ時間帯で実験できるように調整しますが、

十分に希望に応えられないのが今までの実情です。しかし、もしライナックが3台の

イオン源から供給される異なるイオン種のパルスビームに対応して異なる励磁を行う

ことができれば、これらの異なる3つのイオン種を(秒単位で)順番に3コースへ供

給できるわけです。殆ど同時に3つの異なるイオン種を(3つのグループが)独立に

利用可能になるわけです。
 この目的で開発されてきたのが、表記の時分割運転であり、タイムシェアリング (TSA)と呼んでいます。例えば、3つのイオン源で4He1+12C4+40Ar8+を生 成している場合を考えて見ます。各イオンの左肩の数字は質量数(m)で、右肩のそ れは荷電数(q)であり、その比(q/m)は荷電対質量比と呼ばれます。運転パラ メータ設定上、電磁石コイルの電流はq/mに比例し、高周波電力は(q/m)2に比例 します。タイムチャート図にあるように、各イオン源を数100ms程度ズラシて運転 し、高周波(RF)や電磁石(Q-magnet)の励振や励磁を各q/mに対応した値にタイ ミング良く設定してやれば、これらの3つのイオン種を同時に加速可能です。  問題点としては、1)高周波電力が急に変化した場合でも電圧や位相を高精度で制 御すること、2)磁束密度を高速かつ高精度で変化させること等です。平成9年度迄 に「電磁石や電源の置き換え」、「制御系の改良」及び「予備加速試験」が終了して おり、実用化(本格的導入)のメドは立ってきました。そこで10年度は、当初から 一部タイムシェアリングを盛り込んだマシンタイムが開始され、各実験グループの多 様な希望に応えることが期待されています。                   (医用重粒子物理・工学研究部 佐藤 幸夫)
 毎年4月18日(発明の日)を含む一週間を科学技術週間として科学技術庁放射線 医学総合研究所では所内を一般公開し、研究活動を紹介しております。 テーマ:のぞいてみよう        最先端の放射線治療と放射線研究 =本 所= と  き:平成10年4月19日(日)       午前10時〜午後5時 公開内容:☆各研究部の活動と成果をパネルと実物で紹介       ☆ビデオ上映、講演(予定)       ☆体験コーナー「目で見る放射線コーナー」       ☆重粒子線がん治療装置等 施設見学 問合せ先:放射線医学総合研究所 企画室       電話:043-251-2111(233) お願い:受付の迅速化を図るため、団体でお越しになる際には、当日の参加者の名      簿をご持参下さい。 =那珂湊放射生態学研究センター= と  き:平成10年4月16日(木)       午前10時〜午後4時 公開内容:☆各研究室の公開       ☆ビデオ上映 問合せ先:放射線医学総合研究所       那珂湊放射生態学研究センター       電話:029-265-7138