2.5.1放射線科学研究部
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1.概況
放射線科学研究部は、平成7年4月1日に発足し、放射線の人体の障害並びにその予防、診断及び治療並びに放射線の医学利用に関し、各種調査研究の共通基盤となる研究を行っている。
第1研究室は、放射線による人体の障害、予防および放射線の医学利用に関する基礎研究として、Beckmannの電磁波の理論を適用した光の粗面反射特性解析の研究、半導体検出器タイム・ピック・オフ最適化の研究、一様吸収場における単光子型エミッションCTの吸収補正の研究、重イオン核反応を利用した放射化学に関する基礎研究およびタングステン酸の非イオン性吸着への吸着挙動に関する研究を行った。
第2研究室は、放射線の防護に関する研究として、低線量生物影響研究のための線量測定法の開発、ラドン濃度連続測定装置の開発、重粒子線治療における患者の臓器線量測定のための熱ルミネッセンス線量計のLET依存性の基礎実験、高エネルギー中性子線量当量の測定および医療被曝に関する実効線量当量の計算を行った。
第3研究室は、生体情報イメ−ジングに関する研究として、PET画像のノイズに関する研究、3次元CT像からの肺がんの自動抽出法に関する研究、生体多様同時計測法に関する基礎的調査研究および原子間力顕微鏡を用いる粒子線イメ−ジングに関する基礎的研究を行った。
第4研究室は、放射線の吸収線量及び線質に関する研究として、電離箱による測定精度向上に関し電離箱の飽和特性と極性効果の研究、陽子線吸収線量の国際相互比較、およびカロリメトリによる陽子線の吸収線量の研究を行った。
平岡室長は平成7年7月19日から8月2日まで米国ボストンでの第39回米国医学物理学会年会に於て「超小型電離箱の飽和特性と極性効果」と題した研究発表した。また、平成8年2月27日から3月11日まで、ドイツGSIのグラントにより、「重粒子線の線量相互比較に関する実験」のためドイツ連邦共和国重イオン科学研究所(GSI)、ドイツがん研究センター(DKFZ)および国立物埋・工学研究所(FFB)を訪問し実験を行った。村山秀雄主任研究官は7年7月4日から7月6日まで科学技術庁国際研究集会派遣制度により仏国エクスレバンでのにLETI(仏国国立電子技術情報研究所)主催の放射線医学および核医学における完全3次元像再構成に関する1995年会議において「一様円形吸収体中の一様軸対称線源における2次元PET画像のノイズ特性」と題した研究発表をした。また、平成7年8月21日から25日まで、オ−ストリア、ウィ−ンでのIAEA主催の核医学における断層法の現状と将来に関する国際シンポジウムにおいて「3D-PET像の統計的雑音特性と再構成画像の信号対雑音比に関する最適化条件」と題した研究発表を行った。福村明史研究員は平成8年2月27日から3月11日まで、科学技術庁二国間協力に伴う専門家派遣により、「重粒子線の吸収線量に関する国際相互比較実験の実施及び線量標準施設の訪間」のためドイツ連邦共和国重イオン科学研究所(GSI)、ドイツがん研究センター(DKFZ)および国立物埋・工学研究所(FFB)を訪問し実験を行った。
中国第4軍医大学西京医院の馬興栄研究員は日中医学協会フェローとして平成7年4月1日から8年3月31日まで「単光子エミッションCTの研究」に従事した。米国シアトルのワシントン大学のHans
Bichsel教授は平成8年3月16日から3月30日まで科学技術関係外国人研究者招膀制度により来日し、「重粒子線のエネルギー損失」の共同研究を行った。タイ国Rajavithi病院のP.Sahachjesdakul研究員はSTAフェローとして平成7年9月10日より12月9日まで「吸収線量の標準測定法」の研究に従事した。(隈元芳一)
2. 放射線による人体の障害、予防および放射線の医学利用に関する基礎研究
(継続)○富谷武浩、柴田貞夫、馬興栄*(日中医学協力)
(1)光の粗面反射特性解析の研究
Beckmannの電磁波の粗面反射理論を光の粗面反射へ適用し、シンチレーション・カウンター、チェレンコフ・カウンターなどの発光を利用した放射線検出器の光伝達特性のシミュレーション実験に有効な事を前年度明らかにした。本年度はBeckmann
modelと鏡面反射およびLambert modelととの比較研究を行った。Lambert modelはLambert
則に基づいている。Lambert 則とは角分布が一様な平面光源の発光を記述する法則で、本来は粗面反射とは無関係だが、透明な微粒子よりなる反射面では入射光が微粒子集合内で屈折、反射を多数繰り返す間に入射方向の履歴が無くなる場合には出てくる光の角分布はあたかもLambert
則に基づく粗面発光のごとくになるためである。既存の光伝達特性を解析するシミュレーションはことごとくLambert
則に基づいている。3種のモデルを比較したところ、Beckmann modelの結果は鏡面反射とLambert
modelの結果の中間にあり、両モデルを滑らかに継ぐ事が判明した。
(2) 半導体検出器タイム・ピック・オフ最適化の研究
放射線検出器より得られる信号は根本的には特定の時間分布に従って発生する量子の集まりより成り、統計的推定理論を適用して最適タイム・ピック・オフ法を求められる事を以前導出し、シンチレーション・カウンター、チェレンコフ・カウンターに適用した。この手法を半導体検出器にも適用する研究に着手した。半導体検出器電極に発生する電子の時間分布の解析的な式をPN接合型、PIN接合型につき求めた。引き続きこれらの時間分布を基に最適タイム・ピック・オフの導出と理論的限界を求める研究を継続する。
(3)一様吸収場における単光子型エミッションCTの吸収補正の研究
単光子型エミッションCTでは、人体中の自己吸収の場と放射能分布との二つの未知量が絡むため、解析的な解は存在しない。しかし、吸収場が一様であれば解析的な解が存在する。ポジトロンCTでは対ガンマ線のを同時計数するため、対向するプロジェクションは同一だが、単光子型エミッションCTでは自己吸収が異なるため対向するプロジェクション対は独立であり、荷重の仕方により複数の解が存在する。対向するプロジェクション対の最適荷重を求める問題は解かれていなっかたので、この課題を本年度はとりあげた。しかし、8月に開かれた国際学会でChicago大学のPanとMetzらがこの問題の解を報告し、線形画像処理の制約下で最適荷重が解かれたので、非線形画像処理まで拡張した最適荷重の研究に目標を変更し、荷重の満たす数学的特徴の研究に着手した。引き続き非線形画像処理の場合の最適化の課題を継続して研究する。(日中医学協力)
(4) 重イオン核反応を利用した放射化学に関する基礎的研究
重イオン核反応で生成する放射性核種をトレーサーとして利用するための分離法の開発を行った。すなわち、理研リングサイクロトロンの135
MeV/nucleon のN-14で亜鉛ターゲットを1時間照射し、6M塩酸 10ml に溶解した。溶液を陰イオン交換樹脂
Amberlite CG-400 カラムに通し、0.5M 塩酸 20ml で溶解することによりマルチトレーサー溶液を得た。γ線スペクトルから、マルチトレーサー溶液にはBe、Na、Mg、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびGaが検出され、Znは含まれていないことがわかった。照射終了時から3時間以内にマルチトレーサーを実験に供することができ、短寿命核種についての挙動も観測することが可能である。亜鉛をターゲットとしたマルチトレーサー溶液は、銅あるいはゲルマニウムをターゲットとしたマルチトレーサーとした場合に比べ、調製が容易であり、鉄をターゲットとした場合にくらべFe、Ni、Gaについての情報も得ることができる。この溶液を蒸発濃縮した後、臭化水素酸に溶解して、無機イオンの吸着挙動の実験に用いた。
(5) タングステン酸の非イオン性吸着体への吸着挙動に関する研究
水溶液中の無機の放射性核種のイオンが「イオン交換基を持たない有機物」に吸着する現象を調べ、イオンの分子構造が重要な因子であることをこれまでに明らかににてきた。今年度は多核イオンを作るタングステン酸(185WO42-)の非イオン性高分子吸着体および活性炭への吸着挙動をさまざまなpHについて調べた。pH6〜7ではほとんど吸着したにが、pHが3に近付くにつれ、急激に分配係数(Kd)が増加し、さらに酸性側ではわずかに減少した。溶液中に存在すると思われる数種のイソポリタングステン酸イオンについて電荷当たりの表面積(単位電荷占有面積:Charge
Spreading Surface Area of Ionic Molecule = CSSA)を計算し、実験でえられたKdを用いてプロットしたところ、吸着化学種はかって溶液化学から考えられていたものとは異なり、正八面体構造のW6O192-として計算した位置が相関線の近傍に来ることが分かった。
[研究発表]
(1) Tomitani, T.: IEEE Trans. Nucl. Scil, NS-43, 1544-1548, 1996. (2) 富谷武浩、金澤光隆、吉川京燦、吉田勝哉:日本医学放射線学会第70回放射線物理学会大会、大鰐、1995.9. (3) 富谷武浩、馬興栄:日本医学放射線学会第70回放射線物理学会大会、大鰐、1995.9. (4) 柴田貞夫、渡利一夫、野田 豊、安部静子、榎本秀一、前田はるか、安部文敏:第39回放射化学討論会、新潟、1995.10. (5) 森本直哉、井上貴和、向 和彦、横山明彦、斉藤 直、馬場 宏、大楽知久、室山敏浩、篠原 厚、柴田貞夫:日本化学会第70春季年会、東京、1996.3.
3. 放射線防護に関する研究
隈元芳一、白貝彰宏、野田 豐、岩井一男*、三浦正*(*研究生)
(1)低線量生物影響研究のための線量測定法の開発
低線量の連続照射実験のためのマウスの吸収線量測定法の研究を行った。マウス腹腔内にTLD素子を挿入し、照射実験条件のもとでのマウスの腹腔内線量の実測を行った。この線量は12ml電離箱で測定したケ−ジ中心線量に比して小さいが、その差は線源−ケ−ジ間距離2.5mの場合、最大で5%である。この差はマウスの相互遮蔽によるものと判断される。
(2)ラドン濃度連続測定装置の開発
密封型および通気型の電離箱を用いた浜松ホトニクス製差動磁気浮上電離箱ラドン濃度計(ラドン濃度=通気型信号出力−密封型信号出力)を用いた環境γ線と大気中のラドン濃度を連続測定する装置を開発した。
この装置は8chのマルチプレクサ−と3・1/2桁のADCとパ−ソナルコンピュ−タとで構成され、温度センサ−、湿度センサ−及び気圧センサ−と電離箱信号とを同時に連続記録する。実際の連続測定の結果、屋内ラドン濃度の変化と屋外、屋内の大気環境および生活活動とに相関があることが示された。
(3)治療における患者の臓器線量測定の基礎実験
荷電粒子を受ける患者の主ビーム外の臓器線量を測定するために、熱ルミネッセンス(Mg2SiO4:Tb)の荷電粒子にたいする線量、線質依存の測定を行った。13および75keV/mの炭素イオンにたいする測定ではLETの大きい方が同一線量に対する感度が低い。また、5Gy5回の繰り返し照射において感度の変化はない。
(4)中性子線量当量の測定
重イオンを銅タ−ゲットに当てたときに発生する中性子の遮蔽体後の線量当量を、従来型およびC.Birattariによって開発された鉛円筒付きの改良型レムカウンタを用いて測定を行った。20MeV以上の中性子に対する感度が低下することを補償するために高エネルギー中性子にたいする非弾性散乱断面積の大きい鉛を減速材として用いている。400MeV/n炭素イオンによる中性子のコンクリ−ト遮蔽体1.5m後の測定の結果、0度方向では従来型に対する線量の比は1.5となり、90度方向ではほぼ同じであり線質の違いを反映している。
(5)実効線量当量の計算法の開発
性別、年齢別の組織・臓器別名目確率係数を用いて集団検診における過剰がんによる死亡数と短縮寿命を計算した。受診者の年齢分布が一般公衆と大きくは異ならないので、ICRPによる年齢別でない係数によるものとの差は小さい。
[研究発表]
(1)隈元、野田: 第69回日医放物理学会、名古屋、1995.4. (2)隈元、野田、他:第70回日医放物理学会、大鰐、1995.9. (3)Kumamoto,Y. and Maruyama, T.: ,Health Physics,68,827-831,1995. (4)田中栄一*(特別研究員)、野田、他: 第32回理工学における同位元素研究発表会、東京、1995.7.
4.生体情報イメージングに関する研究
山本幹男、村山秀雄、野原功全*、田中栄一*、福田信男*、安田仲宏**、平澤雅彦***、河野貴美子***、 町好雄***、外山比南子***、篠原広之***、 天羽優子***、西川慶一****、木村裕一****、 長谷川智之**** (*特別研究員、**客員研究官、***客員協力研究員、 ****研究生)
(1)放射線の放射型イメージングに関する基礎的研究
従来、PET画像のノイズ特性を分析する場合は一様分布する円形ファントムでのみ行われてきた。しかるに、実際のPET画像においては線源分布の大きさが吸収体の大きさより小さい場合が一般的であり、そのような局所的線源分布が画像上の他の場所に与えるノイズの影響を知ることが重要となる。さらに、FDGの脳内集積分布が脳周辺の灰白質に顕著なことから、円環状に線源分布する場合についてその画像のノイズ特性の分析を行った。その結果、コールド領域を中央にもつ線源分布では、吸収の無い場合に中央のノイズが線源領域に比べて小さくなる傾向があるが、吸収のある場合は吸収体全域でノイズが一様となる傾向にあることが判明した1-4。
(2) 3次元CT像からの肺がんの自動抽出法に関する研究
本研究は、3次元CTが開発されつつある状況に鑑み、一度に非常に多数のスライスが撮像され、医師が肺がんを読影する困難を補助するスクリーニングを目的としている。
ヘリカルX線CTにより撮像し、1mmスライス間隔に再構成した多数のスライス像から、肺がん候補を自動抽出するアルゴリズムを開発した。
本アルゴリズムは、がん候補領域内の濃度ヒストグラム分布の形とスライス相互を含む3次元連結性を用いた。
本アルゴリズムを各1個の腫瘍を含む4患者、全47スライスの実画像で試した結果、全ての腫瘍をマークし、拾い過ぎは1個のみであった5-7。
(3)生体多様同時計測法に関する基礎的調査研究
生体放射に関しては、人体から放射されている各種放射(生物フォトン、遠赤外線、オゾン、コロナ放電、など)の測定に関する前年度までの調査を基に研究を開始した。実験では、気功との関連で注目すべきデータが得られた。また、感覚外認知に関する聴性誘発電位実験装置を開発して100試行の実験を行い、感覚外認知の存在を示唆する誘発脳波潜時の統計的に有意なずれを得た。
これらのシーズは、「多様同時計測による生体機能解析法の研究」として平成7年度から5年間の官民特定共同研究として発展中である8-15。
(4)原子間力顕微鏡を用いる粒子線イメージングに関する基礎的研究
本研究では、重粒子線によるがん治療を効果的に推進するために、前年度までに原理開発を行った、重粒子線の作用を、原子間力顕微鏡により、光学顕微鏡以下のナノスペースで微細にイメージングし解析する新しい方法に関し、定量的研究を開始した。原子間力顕微鏡で重粒子線を照射した熱硬化プラスチック
CR-39を数分間化学エッチングし観察することにより、今まで方法がなかった、治療状態での106粒子/cm2以上の高密度照射に対しても、線束、微細線量分布、LET分布を観察・解析できる可能性がある。
本研究の成果は、重粒子線プロジェクト「重粒子線効果の微細イメージング解析」としても発展中である。
また、長時間宇宙空間に打ち上げられ宇宙線により高密度照射された検出器の、今まで不可能であった解析にも道を開くものである16-31。
[研究発表]
(1) Murayama,H. :Proc. of Symposium on Tomography in Nuclear Medicine, Present Status and Future Prospects (August 21-25,1995,Vienna,Austria)",IAEA-SM-337/18,1995. (2) 村山:日本医学物理学会12会研究発表会妙録集,54-55,1995. (3)篠原,長谷部,新尾,國安,橋本,村山: Med.Imag.Tech.,13, 533-534,1995. (4)村山: 日本医学放射線物理学会、Supplement No.46,1-22,1995. (5) 山本, 久米*, 蔵野, 古角, 西川, 古川, 松本, 吉川, 滝口, 大松**, 森山** : 放射線医学物理, 15(2), 156, 1995.(*東邦大,**国立がんセンタ−東病院) (6) Yamamoto, M., Kurano, M., Kume, E. *, Kokado, T., Nishikawa, M., Furukawa, A., Matsumoto, T., Ohmatsu, H. **, Moriyama, N. ** : Med. Imag. Tech., 13, 553-554, 1995. (*Toho Univ.,**Natl.Cancer Center East Hospital) (7) 山本, 蔵野, 古川, 古角, 西川, 松本, 西川*, 大松**, 森山** : 日本医学物理学会(JAMP '95)第12回研究発表会抄録集, 87-88, 1995.(*東歯大,**国立がんセンタ−東病院) (8) 山本, 平沢 : 第56回応用物理学会学術講演会講演予稿集, 330, 1995. (9) 山本, 平沢* : 人体科学会第5回大会抄録集, 74-75, 1995.(*変位指数研究所) (10) 平澤, 山本, 河野*, 古川 : 日本超心理学会第28回年次大会発表論文集, 23-24, 1995.(*日医大) (11) Hirasawa, M., Yamamoto, M. : J. Int. Soc. Life Info. Sci., 14, 32-37, 1996. (12) Hirasawa, M., Yamamoto, M., Kawano, K.*, Furukawa, A. : J. Int. Soc. Life Info. Sci., 14, 43-48, 1996.(*Nippon Med. Sch.) (13) Yamamoto, M., Hirasawa, M., Kawano, K.*, Yasuda, N., Furukawa, A. : J. Int. Soc. Life Info. Sci., 14, 97-101, 1996.(*Nippon Med. Sch.) (14) 山本, 平澤, 河野*, 古川 : 第43回応用物理学関係連合講演会講演予稿集, No.1, 374, 1996. (*日医大) (15) 山本, 平澤, 河野*, 安田, 古川 : 第43回応用物理学関係連合講演会講演予稿集, No.1, 374, 1996.(*日医大) (16) 山本 : 電気学会研究会, NE-95-10, 29-34, 1995. (17) 山本, 金井, 石榑, 古川, 早田, 長坂*, 小倉** : 放射線, 21(4) , 89-101, 1995.(*東邦大,**日大) (18) 山本, 金井, 石榑, 土居, 早田, 古川, 古角, 西川, 蔵野 : 放射線医学物理, 15(2) , 166, 1995. (19) Yamamoto, M., Kanai, T., Ishigure, N., Doi, M., Hayata, I., Furukawa, A., Kokado, T., Nishikawa, M., Kurano, M., Nagasaka, H. *, Shibuya, H. *, Ogura, K. ** : Med. Imag. Tech.,13, 597-598, 1995. (* Toho Univ., **Nihon Univ.) (20) 山本, 金井, 石榑, 古川, 古角, 西川, 蔵野, 長坂*, 渋谷*, 小倉** : 日本医学物理学会(JAMP '95)第12回研究発表会抄録集, 99-100, 1995.(*東邦大,**日大) (21) 山本, 石榑, 古川, 金井, 長坂*, 小倉** : 第56回応用物理学会学術講演会講演予稿集, 13, 1995.(*東邦大,**日大) (22) 貝塚*, 高橋*, 井口*, 中沢*, 山本 : 日本原子力学会 1995年秋の大会予稿集, C13, 1995. (*東大) (23) 山本, 安田*, 石榑, 金井, 古川, 平澤, 蔵野, 古角, 西川, 長坂*, 小倉** : 研究会「放射線検出器とその応用」要旨論文集, 9-10, 1996.(*東邦大,**日大) (24) 安田, 長坂*, 山本, 石榑, 宮原, 古川, 金井, 小倉** : 第43回応用物理学関係連合講演会講演予稿集, No.1, 9, 1996. (*東邦大,**日大) (25) 山本, 金井, 石榑, 安田, 長坂*, 貝塚**, 古川, 平澤, 小倉*** : 第43回応用物理学関係連合講演会講演予稿集, No.1, 9, 1996.(*東邦大,**東大,***日大) (26) 山本, 蔵野, 古角, 古川, 安田, 長坂*, 平澤, 西川, 石榑, 金井, 小倉** : 第43回応用物理学関係連合講演会講演予稿集, No.1, 9, 1996. (*東邦大,**日大) (27) 貝塚*, 高橋*, 井口*, 中沢*, 山本 : 日本原子力学会 1996年春の年会予稿集, 332, 1996. (*東大) (28) 山本, 石榑, 古川, 金井, 小倉* : 第12回固体飛跡検出器研究会, 東京, 1995.4. (*日大) (29) 山本, 金井, 石榑, 安田, 長坂*, 貝塚**, 蔵野, 古川, 平澤, 中村, 小倉*** : 第13回固体飛跡検出器研究会, 東京, 1996.3. (*東邦大,**東大,***日大) (30) 安田, 長坂*, 山本, 石榑, 貝塚**, 古川, 金井, 小倉*** : 第13回固体飛跡検出器研究会, 東京, 1996.3. (*東邦大,**東大,***日大) (31) 貝塚*, 高橋*, 井口*, 中沢*, 山本 : 第13回固体飛跡検出器研究会, 東京, 1996.3. (*東大)
5.放射線の吸収線量及び線質に関する研究
平岡 武、福村明史、小俣 要、竹下美津恵、 川島勝弘*、佐方周防**、谷 英林** (*特別研究員、**研究生)
(1)電離箱による測定精度向上に関する研究 放射線の線量を測定するために用いられる検出器には多種あるが、小照射野での測定に於ても絶対線量測定の面からは電離箱が最も有利である。ここでは7種類の電離箱 [ タイプと公称電離体積は PTW-23323(0.1ml), Shonka Miniature (0.05ml), Markus(0.05ml), A1(0.05ml), Medic(0.01ml),Fujitec Micro(0.009ml), A14(0.003ml)] を用い、このうちの2種類はA-150とC-552の壁材のものを用い、全部で9本の小型電離箱の飽和特性と極性効果について検討した。測定に用いた線源は10MV-x線で、極性効果についてはコバルト60ガンマ線に対しても測定した。また、極性効果がコンプトン散乱によるものかどうかを検証するため、70MeV陽子線による測定も行った。極性効果は電離箱によってはかなり大きいものがあり、注意が必要である。イオン再結合損出についてはBoagの理論による式が、X線にも陽子線にも適用できる。しかし、等価ギャップ間隔の算出に於て、理論的取り扱いが小型電離箱では極めて難しいことが判明した。
(2)陽子線吸収線量の国際相互比較 日本(放医研)、スイス(PSI)、フランス(CPO)、ロシア(JINR)および南アフリカ(NAC)の五カ国の間で治療用陽子線吸収線量の国際相互比較を実施した。各研究所の組織等価壁型空気電離箱線量計は、まずコバルト60のγ線標準場で校正された。次にNACの陽子線治療室内に設置された水槽の中に各研究所の電離箱を挿入し、一定量の陽子線を順次照射した。この時得られた収集電荷と、先に求めたコバルト校正定数とから、水中に於ける陽子線の吸収線量が評価された。測定は、水中飛程24cmの単色ビームに対し水中深さ5cmの点、同じ飛程で幅10cmの拡大ブラッグピークを形成するビームに対し深さ19cmの点、そして飛程が12cmで幅6cmの拡大ブラッグピークを形成するビームに対し深さ9cmの点の、三点で行われた。吸収線量の評価は、ヨーロッパで標準的に用いられているプロトコルに基づいて算定された。得られた結果は、ロシアの一例を除いて、いずれの場合もプラスマイナス1%程度の範囲内で良く一致した。また放医研の電離箱に対するコバルト校正定数についても、予め放医研で求めた値とNACで得られた値の差はわずか0.36%しかなかった。これにより陽子線の吸収線量及びコバルト60γ線の照射線量に対する国際的な標準化の現状が確認できた。
(3)カロリメトリ 電離箱形線量計を用いた線量評価法に必要な物理パラメータとして、衝突阻止能およびw値がある。これらが未だ精度良く知られていない放射線については、カロリメトリとの比較により決定しなければならない。今年度は、グラファイトを吸収体とする固体素子を用いた熱量計により陽子線の吸収線量の測定を試みた。測定には、放医研サイクロトロンで発生するビームエネルギー70MeVのプロトンビームを用いた。測定はMonoエネルギーの表面近傍で行ない、同じ条件で3回の測定を行った。熱量計素子に対する線量率は1分あたり約11Gyで照射した。それぞれ9回から14回の照射を行なったところ、再現性は0.7%以内であった。
[研究発表]
(1)平岡:第51回日本放射線技術学会学術大会、名古屋、1995.4.14 (2)谷*、平岡、関口*、大島*:第69回日医放物理学会大会、名古屋、1995.4(*旭化成情報システム) (3)小俣、平岡、福村、竹下、佐方*:第69回日医放物理学会大会、名古屋、1995.4(*千葉がんセンター) (4)Hiraoka, T., Omata, K., Fukumura, Takeshita, M.:37th Ann. Meeting of AAPM, Boston, Massachusetts, 1995.7.23-27 (5)平岡、小俣、福村、竹下:第70回日医放物理学会大会、弘前、1995.9 (6)平岡、小俣、福村、入船*、大谷*:第70回日医放物理学会大会、弘前、1995.9(*都立医療短大) (7)斉藤*、平岡、藤崎**、福士*、福田*、入船*:第70回日医放物理学会大会、弘前、1995.9(*都立医療短大、**中央医技専) (8)大谷*、入船*、平岡、津田**、斉藤*、副士*、福田*、乳井*:第70回日医放物理学会大会、弘前、1995.9(*都立医療短大、**東海大医放) (9)平岡:第8回日本放射線腫瘍学会学術大会、東京、1995。11 (10)平岡、谷:放射線科学、Vol. 38, No. 6、197ー200、1995 (12)Hiraoka, T., Omata, K., Fukumura, Takeshita, M.:Medical Physics, 22, 1541, 1995 (13)平岡、小俣、福村、入船、大谷:日本放射線技術学会雑誌、第51巻、12号、1764ー1769、1995