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プレス発表

平成15年10月28日
独立行政法人 放射線医学総合研究所

重粒子線がん治療、高度先進医療に承認

【概要】

独立行政法人放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター(センター長 辻井博彦)は、固形がんに対する重粒子線治療について、近く厚生労働省から高度先進医療の承認を得る。重粒子線治療とは、放射線の一種である重粒子線を、体外からがんの病巣に照射して治療するもの。今回の承認は、重粒子線がん治療に関して、初めての高度先進医療の承認となる。

【本文】

放射線の一種である重粒子線は、体の中の一定の深さで線量が最も強くなるようにコントロールでき、その集中性も極めて良いことから、体外から照射しても、体の表面や他の組織への影響を最小限に抑えて、深部のがん病巣に集中的に照射できる性質がある。

重粒子線は、炭素やネオン、アルゴンなどの原子核(イオン)を、加速器を用いて光の速度近くまで加速させたものであるが、放射線医学総合研究所(以下「放医研」という。)では、このうち、炭素イオン線をがん治療に用いるため、加速器や照射装置などから成る重粒子線がん治療装置を開発し、臨床試験を重ねてきた。(昭和62年(1987年)建設開始、平成6年(1994年)臨床試験開始)。

重粒子線がん治療の対象となるのは、主にがん病巣が局所にとどまっているものであり、肺、肝、頭頸部、前立腺、骨・軟部組織などほぼ全ての臓器が対象となる。ただし、局所にとどまっていても、消化管など管状臓器への適用は一般的に困難である。平成15年(2003年)2月時点で臨床試験登録症例は1,463例に上る。

放医研では、これまでの臨床試験の成果を元に、平成14年4月19日に厚生労働省に対し、重粒子線がん治療の高度先進医療の申請を行っていたが、10月1日に開催された中央社会保険医療協議会の承認を経て、この度、厚生労働大臣による承認が得られる見通し。

先進的な医療技術は、まず、臨床試験として、安全性や有効性等の証明が行われた後に、高度先進医療としての承認を得て、医療としての普及を図る段階へと移行する。さらにその医療技術が広く普及すれば、一般保険診療の適用が受けられることとなる。炭素イオンを用いた重粒子線がん治療についても、高度先進医療としての承認を得ることにより、医療としての普及を図る段階との評価を得たこととなる。

高度先進医療の段階では、当該医療技術に係る費用は全額患者が負担することになる。放医研における重粒子線がん治療の費用負担は、対象となるがんの種類に拘わらず、一連の重粒子線照射について一括して314万円である。なお、これ以外の診断・検査・投薬・入院料等の費用は、健康保険適用となる。


【本件に関するお問い合わせ先】
放射線医学総合研究所 広報室
〒263-8555 千葉市稲毛区穴川4-9-1
TEL : 043-206-3019
FAX : 043-206-4062
E-mail : info@nirs.go.jp

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