重粒子線治療について知りたい方へ

重粒子線は、どんな特徴がありますか?

特徴1、生物学的特徴:がん細胞に対して生物学的に高い効果を有する。

特徴2、物理学的特徴:がん病巣への線量集中性が優れている。

当ホームページでは、重粒子線とは、重イオン線なかでも炭素イオン線のことを意味します。

重粒子線のなかでも重イオン線は、どんな特徴がありますか?

放射線の照射量と細胞の生存率を、一般的な放射線であるX線を照射した場合と、重粒子線のなかの重イオン線を照射した場合とを比較してみましょう。放射線を照射すると、照射量に応じて細胞が破壊され、生きている細胞が少なくなります。重イオン線を照射した場合、生きている細胞が極めて少なくなり、X線と比べて細胞破壊力が強いことがわかります。このグラフは、放射線の照射量と生き残る割合である細胞生存率を比較したものです。同じ線量を照射したときの細胞生存率で比較すれば、重イオン線の効果が、X線よりも大きいことがわかります。重イオン線には、さらに次のような特徴があります。

図:X線と重イオン線の細胞生存率の比較

図:線量と細胞生存率

特徴1、がん細胞に生じた損傷が治りにくい

がん細胞に放射線を照射すると、細胞DNAが損傷を受けます。その様子をX線と比較すると下図のようになります。X線では、照射後損傷を受けたDNAの回復が見られますが、重イオン線は、DNAに致命的な損傷を与えることが確認されていて、かつその損傷は治りにくいことが特徴です。

イメージ:細胞DNA損傷

特徴2:がん細胞がどんな状態でも効果が強い

細胞は、分裂とDNA合成を繰り返しながら増殖しています。細胞が増殖する際の周期は、分裂期(M期)→休止期(G1期)→DNA合成期(S期)→休止期(G2期)→分裂期で、これを図にすると、下図のようになります。X線を照射した場合、DNA合成期にある細胞の方が、殺細胞効果が低くなっています。一方、重イオン線の場合、DNA合成期でも分裂期でも、同じように効果が高く、そのことから、がん細胞がどんな状態にあっても効果が強いことが分かります。

イメージ:細胞周期

図:X線と重イオン線の殺細胞効果の比較

特徴3:酸素が少なくても効果がある

がん細胞が増殖すると、がん細胞の一部に酸素が充分届かないために酸素濃度が低いところができます。基礎実験よりX線治療では、このような酸素濃度が低いところには、あまり殺細胞効果が見られないと考えられています。一方、重イオン線による治療では、酸素濃度が低い部分の細胞も破壊されますので、がん治療に大きな効果を発揮します。

イメージ:酸素濃度の低い細胞に対する殺細胞効果

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