放医研重粒子医科学センター病院では、重粒子治療を受けていただき易くするため、電話による相談も行っています。ここでは、電話相談に寄せられるご質問のなかから典型的なものをご紹介しましょう。
電話相談を利用する際には 電話をかけてきた方の名前や住所をおたずねすることは基本的にありません。ただし、相談の内容によっては、患者様の名前や年齢をお聞きすることはあります。また、こちらから折り返しかけ直す際には、ご連絡先をお聞きしています。お電話をいただく方は、必ずしも患者様本人でなくてもかまいません。実際には、家族、親戚、友人などの方からの相談も多々あります。電話相談の際には、あらかじめ、
▼ 現在、がんはどのような状況か (診断名、進行状況など)
▼ 今までどのような治療を受けてこられたか (時期、内容など)
▼ 担当医は、今後どのような治療方針を考えているのか
など、くわしい病状を把握しておいてもらえると、比較的スムーズにお答えすることができます。
放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院 医療電話相談
電話番号:043-284-8852
受付時間 月曜〜金曜 9:30〜12:00 / 13:00〜15:15
電話をとる際にはいつでも、お一人でも多くの方に重粒子線治療を受けていただきたいと思いつつご相談にお答えしています。お電話だけでは、医学的な細かいことまでお答えすることがむずかしい場合もありますが、重粒子線治療について知りたいこと、疑問に思ったことなど、気軽にご相談ください。先進医療として承認されたとはいえ、対象条件は医学的・倫理的見地から厳しく設定されています。その条件に当てはまらない場合、どんなに強いご希望があっても治療がおこなわれないことがあるということをご理解いただければ幸いです。
Q1 どんな人でも治療を受けることができますか?
少なくとも3つの条件に当てはまるかどうか、最初に確認しています。 重粒子線治療が受けられるかどうか、電話相談では最初に、次の3点を必ず確認しています。
▼ がんであることをきちんと告知されていますか。
治療について正しく理解するためには、まず、患者様自身ががんであると認識していることが必要です。家族の方から「がんであることをふせてほしい」と希望されることもありますが、治療全体で見ると、決して望ましいことではありません。なお、ここで注意していただきたいのは、「腫瘍がある」と言われた場合、それが悪性かどうかも確認して下さい。良性の腫瘍は原則として重粒子線治療の対象にはなりません。
▼ 広範な転移はありませんか。
転移、とくに元の場所から離れた肺や肝臓への転移(遠隔転移と言います)が何個もある場合、基本的には重粒子線治療をおこなうことはできません。特に、広範な全身転移がある場合には、転移がんを個々に重粒子線で治療することはしていません。
▼ 過去に放射線治療を受けていませんか。
かつて放射線治療を受けたことがあるところに、重ねて重粒子線を照射した場合、どのような副作用が起こるのかは、今のところまだわかっていません。そのため、いま治療対象となっている病巣に一度でも放射線治療を受けたことがある人には、原則的にお断りしています。「今、放射線治療を受けている最中だが、まだ決められた線量すべてを受けたわけではない。残りの線量を重粒子線でやってもらえないだろうか」という相談もありますが、それはお引き受けできないのです、とお伝えしています。治療のための放射線を一度でも照射したことがある場合は、対象外となっています。ただし、放射線治療を受けたのが別の部位であれば、重粒子線の対象となることがあります。
Q2 どんながんが治療の対象となっていますか?
肺や肝臓など「実質臓器」と呼ばれる臓器や、ほかの方法では治療がむずかしい部位が対象となっています。重粒子線治療で臨床試験がおこなわれた主な部位は、「頭頚部、中枢神経、頭蓋底、肺、肝臓、前立腺、骨・軟部組織、直腸(局所再発)、眼・涙腺、すい臓、子宮」です。2003年10月以降、先進医療として行っている部位は、おおむねこれと重なっています。
Q3 セカンドオピニオンを受けるにはどうしたらいいでしょう?
ご相談の際に、所定の書類がそろっていれば、受診は必ずしも患者様本人でなくともかまいません。ご家族、親戚の方だけでも、相談を受けることができます。ただし、このとき医師が病気について質問することがありますので、経過をよくわかっているほうがスムーズにすすみます。医師は、今までの経過や画像などを参考にしながら、今後の治療法について助言
します。重粒子線治療を含めて参考となる情報・意見を提供しています。
>>セカンドオピニオンについて
Q4 紹介状は特定の病院で書いてもらわないとダメですか?
だいじょうぶです。今までの経過をよく知っている担当医に書いてもらってください。紹介状は、どの医療機関のものでもかまいません。重粒子医科学センター病院がとくに提携している医療機関というものはありませんし、紹介元によって当院の扱いが異なるということは絶対にありません。
>>Faxでご紹介下さる先生方へ
Q5 診療相談に行くのになかなか都合がつけられません。
担当医と重粒子医科学センター病院の医師と、電話で話してもらうこともできます。遠方に住んでいて重粒子医科学センター病院まで来るのがたいへん、診察の都合をつけるのがむずかしいといった場合、患者様の担当医から重粒子医科学センター病院へ電話をしてもらい、医師同士でくわしい話をしてもらうのが望ましい場合もあります。ただ、重粒子医科学センターのほうから、担当医への連絡などを手配することはできません。必ず、患者様ご自身から、担当医へ依頼するようお願いしています。
Q6 費用はどのくらいかかりますか?
先進医療では重粒子線治療は一律314万円、それに入院費や検査費がかかります。先進医療自体には、健康保険、高額療養費制度による助成などを一切受けることができません。ただ、診断のために必要なCT、MRIなどの検査、入院費、薬代などは健康保険が適用となり、これが一定の金額を超えれば高額療養費制度も利用できますし、確定申告をすれば医療費控除として、払い戻しを受けることもできます。任意で加入している生命保険、医療保険などについては、先進医療がカバーされているか、ご自身の加入している保険の約款をよく確認してください。なお、照射回数と金額は関係ありません。例えば、前立腺がんの治療で20回照射しても、初期の肺がんで照射が1回ですんだ場合も、同じように314万円かかります。
>> 先進医療の費用について
Q7 入院は必要ですか?
治療は原則として入院のうえ、おこなわれます。ただ、入院期間は患者様によって異なります。重粒子線治療そのものは患者様への負担が軽いので、外来でも十分に受けられますが、検査や治療スケジュールをスムーズにするため、原則として入院していただいています。照射前の検査や照射後の経過は、入院でおこなったり外来でおこなったりします。ただ、どのくらいの期間入院するかは、部位や病状などによってかなり開きがあります。診療相談の際に、医師からの説明があるので、その際によく確認してください。
Q8 副作用はありますか?
ありますが、副作用の種類、程度は患者様によってさまざまです。重粒子線治療は、がんのある部位に狙いを定めて、ごく限られた範囲に照射するため、従来の放射線治療に比べて、かなり副作用は軽くなっています。とはいえ、やはり副作用はゼロではありません。がんのある部位、照射の方向によって副作用は異なります。また、同じような治療計画でも、副作用の現れ方にはかなり個人差があることがわかっています。そのため、電話相談だけでは、具体的にどんな副作用が起こるか答えることはむずかしくなります。診療相談の際には、必ず医師から起こりうる副作用、また副作用が起こった場合の対処法などについてくわしく説明されます。それを承諾したうえで、重粒子線治療を受けるかどうか、ご自身でいろいろ質問して確認してください。実際に治療を受けるかどうか決められる前には、インフォームドコンセントで詳しくご説明いたします。
Q9 年齢制限はありますか?
部位によっては、下限が定められているものもあります。基本的にがんは中高年に多い病気ですが、原則として、若い人にも多い骨・軟部組織の腫瘍は14歳以上、頭頚部腫瘍は15歳以上から重粒子線治療の対象となっています。上限は、先進医療に関してはとくに設定されていませんが、臨床試験の場合は、80歳までと決められているものもあります。



