子宮頸癌の放射線治療 一般の放射線治療のご紹介

子宮頸癌 : 治療法

  • 治療の主体は手術と放射線治療です。治療法の選択は組織型、病期、腫瘍の大きさ、年齢、合併症の有無等を考慮して総合的に決定されます。

  • I-IIa期では手術と放射線治療の治療成績はほぼ同等であり,両者はともに標準治療となります.このため治療法の選択に際しては,両治療法の利点と欠点を十分に検討する必要があります。

  • IIb期の大きな腫瘍やIII-IVa期では根治手術は困難となり,治療の主体は放射線治療となります。

  • 局所進行子宮頸癌の治療成績を向上させる試みの一つとして,放射線治療と化学療法を同時に併用する化学放射線治療のランダム化比較試験が,米国を中心に1990年代に行われました.その結果,米国の5つの試験ではいずれも対照群に比べて化学放射線治療群の生存率が有意に良好でした.また過去20年間に行われた19の臨床試験を集めたメタ・アナリシスの結果,シスプラチンを含む化学療法と放射線治療を同時に併用することで骨盤内再発と遠隔転移は有意に減少し,全生存率を12%改善することが示されました.これらの結果を受けて米国国立がん研究所は,1999年に「進行子宮頸癌に対する治療においては,放射線療法とシスプラチンを主体とする化学療法の同時併用療法を十分に考慮すべきである.」とアナウンスを出しました.以上の流れから日本においても,進行子宮頸癌に対しては化学放射線治療が行われるようになってきています。

子宮頸癌の治療法の選択 : 米国と日本の相違

治療法は欧米では放射線治療が主体です。一方、日本ではII期までは手術が優先され、放射線治療は主にIIB期の大きな腫瘍からIII・IV期に用いられています。

子宮頸癌の放射線治療

子宮頸癌は原則として外部照射と腔内照射の併用で治療します。次に詳しく述べます。

外部照射とは、リニアック等の大型の放射線治療装置を用いて、体外から体内のがん病巣に放射線を照射して治療する方法です。

外部照射の照射野(全骨盤照射)

外部照射の治療範囲は、子宮の病巣から腫瘍が進展する可能性のある膣、子宮傍結合織、骨盤リンパ節までを含めた広い領域とします。図はリンパ管造影の写真に照射野を重ねたものです。骨盤リンパ節(内・外・総腸骨節)は照射野に含まれています。

子宮頸癌の腔内照射

腔内照射とは、子宮腔内および膣腔内に線源(自然に放射線を出す物質)を直接挿入し、子宮頸部の主病巣に集中的に大線量の照射をする治療法です。

このような治療法を密封小線源治療といい、Curie夫妻のラジウムの発見を機に20世紀初頭から行われています。

子宮頸癌の腔内照射に関しても約90年間の歴史があります。その間に理想的な線源の配置法や線量分布について検討されてきました。また線源の挿入を補助するアプリケ-タにも改良がなされて今日に至っております。

線源は左の機械に格納されており、リモート・コントロールで子宮腔内に挿入されます。このような治療システムをRALS(Remote After-Loading System)と呼んでいます。

Remote After loading System (RALS)

コンピュータによる遠隔操作で後から線源を装填する治療法です。



腔内照射の線源固定用写真を示します。

外部照射と腔内照射を重ね合わせた線量分布

近年では、このように両者の線量分布をCTやMRIの画面上に重ね合わせて、最適な線量分布を検討する方法が開発されています。

子宮頸癌の標準的放射線治療

腔内照射の回数とA点(腔内照射の基準点)への指示線量、及び外部照射の線量との関係については多くの意見があります。ここでは子宮頸癌取扱い規約*に記載されている「子宮頸癌標準治療」を掲載します。

(*日本産科婦人科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会編 金原出版株式会社発行)

放射線治療の予定(III期)

III期の子宮頸癌の一般的な治療スケジュールを以下に示します。

治療スケジュール

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