子宮頸癌 : 疫学
- 子宮頸癌は女性の全悪性腫瘍中、乳癌、結腸癌、胃癌、肺癌についで5番目の罹患率です。40代後半にピークがあります。
- 日本における子宮頸癌の発生率・死亡率は、衛生状態の改善やがん検診の普及などによって1980年代以降、減少傾向にありました。しかし2000年代になって発生率は再び増加傾向(特に35歳以下)にあります。
- 発展途上国においては、発生率・死亡率ともに最も高い疾患の一つで、その対策は重要な課題となっています。
- ヒトパピローマウイルス (HPV-16, 18など) との関連性が注目されています。
子宮頸癌 : 解剖
- 子宮は体部と頸部に分けられます。
- 子宮の下方は膣と連続しています。子宮の周囲には靭帯があり、骨盤壁と接しています。
- 子宮の前方には膀胱が、後方には直腸があります。
- 所属リンパ節は骨盤リンパ節(内腸骨節、閉鎖節、外腸骨節、前仙骨節、総腸骨節など)です。

子宮頸癌 : 症状
早期癌では症状は出現しません。ただし多くは検診にて診断可能です。
初期症状は、不正性器出血(性交後出血、月経間出血、月経過多)などです。
進行すると、慢性の帯下、慢性の性器出血、貧血、腰痛、腹痛、排尿障害、下肢の浮腫などが生じます。
子宮頸癌 : 進展様式
- 腫瘍は子宮頸部から連続性に子宮体部、膣、子宮傍組織(基靭帯など)に浸潤します。
- さらに進行すると膀胱、直腸に直接浸潤します。
- また所属リンパ節転移や血行性転移をきたします。

子宮頸がんの進行期分類 (FIGO 1994年)
子宮頸癌の進行程度を表現する方法としては、国際臨床進行期分類(FIGO分類)が一般的に用いられています。
これは治療法の決定に際して最も基本となるものです。

子宮頸癌 : 組織型、予後因子
- 扁平上皮癌が80%以上を占めます。
角化型と非角化型に亜型分類されます。 - 7〜10%が腺癌。腺癌は近年、増加傾向にあります。
- 予後因子として重要なものは、腫瘍側からは組織型、臨床病期、腫瘍の大きさ、子宮傍結合織への浸潤の程度、膣浸潤の程度、リンパ節転移の有無・程度、脈管浸潤の有無・程度などが、宿主側からは年齢、全身状態、合併症の有無、貧血の有無と程度、腫瘍マーカー値などが挙げられます。


