適応となっている疾患について

骨軟部腫瘍に対する炭素イオン線治療の成果

これまでに、手術不能と診断された骨軟部腫瘍を対象とし、2016年2月までにおおよそ1000例を蓄積しました。疾患としては仙骨発生の脊索腫が最も多く、ついで骨肉腫、軟骨肉腫と続いています。軟部腫瘍では骨腫瘍に比べ全体の症例数は少ないですが、脂肪肉腫、未分化多形肉腫などが比較的多いです。

治療効果の目安として、5年局所制御率(5年間治療した部位が再発なく経過した割合)、5年生存率が用いられています。2000年から行っている切除不能骨軟部肉腫に対する線量固定試験の治療成績は、5年局所制御率68%、5年生存率58%でした。これは骨腫瘍、軟部腫瘍全て総じての成績です。最も症例数の多い仙骨脊索腫では5年局所制御率は77%、5年生存率は81%でありました。仙骨にできた腫瘍の場合、切除自体も難しいのですが、切除後の機能損失も大変大きくなります。人工肛門になったり、歩行が困難になったりすることもあります。仙骨脊索腫は比較的高齢者に発症するため、治療自体の負担が少なく、治療後の機能損失も少ない重粒子線治療が治療の第一選択となりつつあります。

重粒子線治療の副作用として、病巣が体表面近くにあるため皮膚への照射が避けられない症例では、びらんや潰瘍などが認められたこともありますが、初期の頃の症例で、最近では治療法の改善により殆ど問題にならなくなりました。

重粒子線治療は良好な線量集中性と高い生物学的効果の点から切除不能な骨軟部腫瘍に対し安全で有効であると言えます。

これまでの治療実績が認められ、2016年5月から切除不能骨軟部腫瘍については、保険診療を開始しています。

2016.5.現在

参考資料

当院を受診していただくに際して

  1. 骨軟部腫瘍とその特徴
  2. 骨軟部腫瘍の治療法
  3. 治療の難しい骨軟部腫瘍
  4. 炭素イオン線治療の適応となる骨軟部腫瘍の条件
  5. 骨軟部腫瘍に対する炭素イオン線治療の成果
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