適応となっている疾患について

4. これまでの治療成績 (前立腺がん)

当院ではこれまでに3つの臨床試験を実施し、2003年11月からは先進医療として治療を継続しています。初期の2つ臨床試験では、安全かつ有効な治療法の確立と適正線量の決定をめざしました。最初の試験で、線量増加に伴い直腸や尿道の重篤な副作用が発生しましたが、その経験により正常組織の安全線量が明らかになり、同様の副作用が出ないようにするための指標を得ることが出来ました。以上により、前立腺がんに対する照射法を確立できたため、2000年4月からは第3の臨床試験(第II相)を開始しました。ここでは、患者さんを治療前の諸因子(PSA、グリーソンスコア、TNM分類)によってグループ分けし、ホルモン療法併用の有無やその期間を決めています。重粒子線の線量は当初66GyE/20回(2000年4月〜2005年7月)から63.0GyE/20回(2005年9月〜2007年8月)、さらに57.6GyE/16回(2007年9月〜2013年3月)と総線量と回数の低減を行ってきました。これらの非再発率、生存率はほぼ同等でしたが、総線量と照射回数を少なくした57.6GyE/16回では、合併症がそれ以前と比較して低減しました。2013年4月からは、さらなる治療成績の改善を期待して51.6GyE/12回照射が行われています。

2000年から2014年までに治療した、1年以上経過観察した1318名について、5年原病生存率(5年間で前立腺癌により死亡しない確率)は、低・中リスク群は100%、高リスク群でも98.5%と良好でした。副作用についても、Grade2以上の消化器系合併症は約1%、そしてGrade2以上の泌尿器系合併症は約6%と、良好な結果が得られています。

参考資料

  1. 当院を受診していただくに際して
  2. 重粒子線治療の適応
  3. 重粒子線治療の方法
  4. 治療成績
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