適応となっている疾患について

I. 肝細胞がん

4. 臨床試験の治療成績

4つのプロトコールにより臨床試験が行なわれました。いずれのプロトコールも対象は、他治療により十分な効果が期待できないか、他治療の無効症例でした。第1の第I/II相試験では15回/5週間照射法にて24例が治療され、局所制御率は81%でした(1)。第2の第I/II相試験では、短期照射法の開発を目的として12回/3週、8回/2週、4回/1週がこの順で行われ、いずれの分割法も安全に実施できることが確認されました。その結果に基づき、52.8GyE/4回/1週の照射法の有効性を調べる第II相試験(第3次プロトコール)が行われましたが、全症例(47例)の90%において治療後の肝機能低下は見られないかごく軽微でした。また3年局所制御率と3年生存率はそれぞれ96%、57%で、安全性と有効性の両面において優れた分割法であることが示されました(2)(3)。特に、エタノール注入療法(PEI)やラジオ波熱凝固療法(RFA)などの経皮的局所治療が困難な腫瘍径が3cmを超える症例では、病変が一箇所に集まっていて(一緒に照射できる範囲内なら複数個でも可)、最大腫瘍径5cm以下の場合、局所制御率が1年から5年まで92%、累積粗生存率が1年95%(初回治療例92%)、3年71%(69%)、5年66%((69%)と、既存の他の治療法より良好な治療成績を得ることができました。

さらに短期照射である2回/2日照射法の第I/II相試験(第4次プロトコール)が行われ、安全性と有効性が確認された後、先進医療に移行しています。。

重粒子線照射後の副作用についての分析では、肝機能および腫瘍径による制約は少なく、90%以上の方は治療中および治療後、ほとんど無症状で過ごすことができます。中等度以上の肝機能、腫瘍径10cm以下の条件を満たせば重粒子線治療の適応となると考えられます。現在行われている先進医療における詳しい適応条件は、5. 先進医療の適応条件と、今後の展望、をご参照ください。

表. 臨床試験における治療成績

I. 肝細胞がん

当院を受診していただくに際して

  1. 肝細胞がんの特徴、重粒子線治療研究の背景、既存の治療法
  2. 重粒子線治療研究の経緯および現状
  3. 重粒子線治療の方法
  4. 臨床試験の治療成績
  5. 先進医療の適応条件と、今後の展望
  6. 治療計画用CT画像と重粒子線の線量分布図
  7. 治療前後の実際のCT画像(3症例)
本文はここまでです。この後に、関連リンクが続きます。 ページトップへ