肺がん:適応となっている疾患について

3.これまでの治療成績:肺癌(非小細胞肺癌)

I 期肺癌(T1-2/N0/M0)

発生部位により臨床病期I期肺癌は肺野末梢型と肺門近接型・肺門型に分けて評価しました。肺野末梢型の患者さんの75%は手術非適応例であり、25%は手術拒否例です。

最初の第I/II相臨床試験(9303)では、18回/6週照射法により、肺野末梢型37例(38病巣)、肺門近接型10例、合計47例(48病巣)が治療され、線量増加に伴い局所制御率の明らかな向上が認められました。第2の第I/II相試験(9701)では、対象を肺野末梢型のみとし、9回/3週照射法による線量増加が実施されて、最適線量として72GyEが選ばれました。引き続いて線量をこの72GyEに固定して9回/3週照射法による第3の第II相臨床試験(9802)が行われた結果、95%という良好な局所制御率が得られました。また、I期肺癌をIA(≦3cm)、IB (>3cm)に分けると原病生存率はそれぞれ89%、55%となり外科治療に匹敵する成績となりました。その後、さらに照射期間の短縮を目指し、4回/1週照射法(0001)による第I/II相試験で79例が治療されました。その結果、90%の局所制御率が得られました。現在、臨床研究の対象でないI期肺がんは9回/3週間法あるいは4回/1週間法を用いて先進医療を行っています。

一方、早期肺門部肺癌は臨床研究で肺野末梢型より低い線量で安全性が保障され、腫瘍は100%局所制御されることが明らかになりました。現在は9回/3週間照射法にて線量を54.0GyEに固定して先進医療として行っています。

局所進行肺がん

局所進行がんに対する重粒子線治療の臨床研究は、まず照射効果を病理学的に検索する目的で胸壁浸潤型の肺がん(cT3N0M0)に術前照射が行われました。5例中3例に対して計画通り手術が行なわれ、その内の2例は病理学的に完全に悪性細胞が消失していました。

この結果を参考にして2000年4月から開始された「局所進行型」肺がんに対する重粒子線治療の臨床研究(9903)は病期II、IIIA(縦隔リンパ節転移は1か所、大きさ2cm以下)、パンコースト型腫瘍、縦隔型肺がんを対象として16回/4週間照射法により線量増加試験が行われました。その結果、37名の対象症例の局所制御率として87.8%が得られ、原病生存率(5年)55.3%となりました。これらの成績も、外科成績に匹敵すると思われます。また適正線量は72GyEであることが明らかになりました。現在、局所進行がんは先進医療として行っています。

表 : 炭素線による肺癌治療成績 (PDF 12KB)

参考資料

当院を受診していただくに際して

  1. 重粒子線治療の適応
  2. 重粒子線治療の手順
  3. これまでの治療成績
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