適応となっている疾患について

骨軟部腫瘍(肉腫)に対する治療

頭頸部領域の骨・軟部組織から発生する腫瘍はまれであり、小児の横紋筋肉腫を除くと、放射線や抗がん剤では難治なことが多く、また、外科切除においても、顎顔面の機能および美容上の問題から広範な切除・再建は困難であり、特に骨・筋肉・脂肪組織などから発生する腫瘍ではその傾向が強いと考えられます。

1997年4月から2001年2月までに行われた頭頸部悪性腫瘍第II相試験において、頭頸部領域の骨軟部腫瘍に対する局所制御率は約30%と、他の組織型と比較して満足すべき結果が得られませんでした。一方、体幹部の骨軟部腫瘍では十分な局所制御が得られていることから、治療線量不足が示唆され、2001年4月からPhase I/II 線量増加試験が開始されました。開始時線量は70.4Gy (RBE)/16回/4週間(1回線量4.4 Gy (RBE))であり、その後線量増加の予定でしたが、局所制御率の著明な改善を認め、2008年4月から70.4 Gy (RBE)/16回を推奨線量として先進医療へ移行しました。

2001年4月から2015年8月まで53例の切除非適応の頭頚部骨軟部腫瘍に対し治療が行われました。組織型の内訳は、骨肉腫19例、悪性線維性組織球腫5例、軟骨肉腫4例等でした。5年局所制御率は約74%、5年生存率は約56%であり、高い治療効果が得られていると考えます。有害反応のリスクは病気の状態により異なりますが、予想が可能であるため、治療前にわかりやすく説明するように心がけています。

これまでの治療実績が認められ、2016年5月から切除非適応頭頚部骨軟部腫瘍については、保険診療を開始しています。

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