臨床検査室のご紹介

SCC

SCC抗原は、子宮頚部扁平上皮癌の肝転移巣より分離・精製された腫瘍関連抗原である。

子宮頚部、肺、食道、頭頚部、尿路・性器、皮膚などの各扁平上皮癌で高い確率で高値を示す。

高値を示す病態

悪性疾患:子宮頚部癌、肺癌、頭頚部癌、尿路・性器癌、皮膚癌などの扁平上皮癌

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TPA(組織ポリペプチド膠原)

TPAは臓器特異性が低く、さまざまな癌において高値となる。また、癌の増殖活性に相関するため、診断や治療経過の把握に有用な指標となる。

なお、TPAは良性疾患でも高値例を認めるが、その上昇は、悪性疾患とは異なり一過性であるとされている。

高値を示す病態

悪性疾患:胃癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、膵癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮癌、など

良性疾患:急性・慢性肝炎、胆道系炎症、膵炎、肺炎、肺膿瘍、など

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シフラ(サイトケラチン19フラグメント)

シフラ(cytokeratin 19 fragment;CYFRA)は、上皮細胞の中間径フィラメントの構成蛋白であるサイトケラチン分子種の一つであるサイトケラチン19の可溶性フラグメントの通称である。サイトケラチン19は広く上皮性細胞に分布し、肺の非小細胞癌、とりわけ扁平上皮癌や腺癌で多量に産生されることが知られている。

高値を示す病態

悪性疾患:肺扁平上皮癌、肺腺癌、卵巣癌、子宮頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、など

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シアリルLex-i抗原(SLX)

シアリルLex-i抗原(SLX)は、胎児性抗原SSEA-1(stage-specific embryonic antigen-1)の糖鎖末端にシアル酸の付加した高分子糖蛋白で、モノクローナル抗体FH-6により認識される。膵癌をはじめとする消化器系癌にも出現するが、肺癌や卵巣癌などの腺癌患者で高値を示す。良性疾患における偽陽性率は低いとされている。

高値を示す病態

悪性疾患:肺癌、卵巣癌、子宮癌、膵癌、肝細胞癌、胆道癌、大腸癌など

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ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)

ガストリン放出ペプチド前駆体(ProGRP)は、肺小細胞癌において高い陽性率と特異性を示す腫瘍マーカーである。別の肺小細胞癌のマーカーであるNSEと比べると、比較的早期の症例でも陽性例が多く、健常者と患者との値差が大きい。

間質性肺炎や胸膜炎で若干高値を示す例が報告されている

高値を示す病態

悪性疾患:肺癌、特に肺小細胞癌

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NSE(神経特異エノラーゼ)

解糖系の酵素であるエノラーゼはα,β,γの3種類のサブユニットの組合せから成る二量体構造をもつ。このうちαγおよびγγ型のエノラーゼは主に神経細胞や軸索突起に存在するため、神経特異エノラーゼ(NSE)と呼ばれている。

NSEは各臓器に分布する神経内分泌細胞にも存在することが明らかとなり、その腫瘍である燕麦細胞型の肺小細胞癌、神経芽細胞腫で腫瘍細胞より血液中に流入する。

高値を示す病態

悪性疾患:肺小細胞癌、神経芽細胞腫、
良性疾患:肺良性疾患、胃潰瘍

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CEA(癌胎児性抗原)

癌胎児性抗原(CEA)は、結腸癌と胎児結腸粘膜組織に共通して存在する抗原物質として発見された腫瘍マーカーである。

大腸癌をはじめとする消化器癌、膵癌、肺癌などの臓器由来の癌に幅広く出現する。

高齢者や喫煙者では若干高値をとる傾向がみられる。

高値を示す病態

悪性疾患:大腸癌、肺癌、転移性肝癌、胆道癌、胃癌、食道癌、乳癌、子宮癌など

良性疾患:慢性肝炎、肝硬変、閉塞性黄疸、胆石症、消化管潰瘍

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CA19-9

CA19-9は、結腸癌培養細胞株を免疫原として作製されたモノクローナル抗体NS19-9によって認識される糖鎖抗原である。

膵癌、胆道癌を始めとする各種消化器癌の腫瘍マーカーである。

高値を示す病態

悪性疾患:膵癌、肝細胞癌、胆道癌、肝内胆管癌、大腸癌

良性疾患:慢性膵炎、慢性肝炎、肝硬変、胆石症、消化管潰瘍

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IAP(免疫抑制酸性蛋白)

免疫抑制酸性蛋白(IAP)は、癌患者血中に出される免疫抑制物質である。

臓器非特異的に癌の進行期に応じ高値を示すため癌のフォローマーカーとされている。

高値を示す病態

悪性疾患:食道癌、胆道癌、膵癌、乳癌、肺癌、膀胱癌、卵巣癌、子宮癌、白血病、など

良性疾患:肝硬変、消化管潰瘍、亜急性甲状腺炎、膠原病・炎症性疾患、など

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CA125

CA125は、卵巣漿液性嚢胞腺癌の培養細胞を免疫原として作製されたモノクローナル抗体OC125によって認識される糖鎖抗原である。正常人でも中皮、腹膜、胸膜、成人の卵巣、子宮内膜などに存在する。

主に卵巣癌に有効な腫瘍マーカーであるが、子宮内膜症と子宮筋腫の鑑別にも用いられる。

性周期の影響を受け、月経中と妊婦は高値となる。

高値を示す病態

悪性疾患:卵巣癌、子宮体部癌、肝細胞癌、胆道癌、膵癌

良性疾患:子宮内膜症、腹膜炎、胸膜炎

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AFP (α-フェトプロテイン)

α-フェトプロテイン(AFP)は、胎児肝およびヨークサック(卵黄嚢)で産生される胎生期特有の血清蛋白である。

肝細胞癌で高値を示す。肝炎や肝硬変でも低値ではあるが上昇する。

高値を示す病態

悪性疾患:肝細胞癌、ヨークサック腫瘍

良性疾患:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、先天性胆道閉鎖症など

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AFP-L3(AFPレクチン分画)

α-フェトプロテイン(AFP)は肝細胞癌のマーカーであるが、慢性肝炎や肝硬変のような非肝癌患者でも上昇するため、軽度〜中等度高の症例での鑑別は困難とされている。

AFPレクチン分画では、非肝癌患者大部分がL1分画に出現し、肝細胞癌患者ではL3分画が増加するため、肝細胞癌と肝良性疾患との鑑別診断に有用である。

高値を示す病態

悪性疾患:肝細胞癌

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PIVKA-II

PIVKA-IIは、肝臓でのプロトロンビン(凝固第II因子)生合成不全により出来る異常蛋白である。

肝細胞癌で高い確率で高値を示しα-フェトプロテイン(AFP)とは相関性低い肝細胞癌のマーカーとして認識されている。

高値を示す病態

悪性疾患:肝細胞癌

良性疾患:慢性肝炎、肝硬変、ビタミンK欠乏性出血症、ワーファリン投与時など

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DUPAN-2

DUPAN-2は、膵腺癌由来培養細胞を免疫原として作製したモノクローナル抗体により認識される糖鎖抗原と考えられている。

膵癌、肝・胆道癌に特に高い陽性率を示す。

高値を示す病態

悪性疾患:膵癌、肝細胞癌、胆道癌、肝内胆管癌、大腸癌

良性疾患:慢性膵炎、慢性肝炎、肝硬変、胆石症、消化管潰瘍

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SPan-1

SPan-1抗原は、膵癌細胞株を免疫原として作製したモノクローナル抗体により認識される抗原である。

膵癌をはじめとする消化器癌の腫瘍マーカーで、良性疾患による偽陽性率が極めて低く、鑑別の難しい急性膵炎と膵癌の鑑別においても有用とされている。

高値を示す病態

悪性疾患:膵癌、肝細胞癌、胆道癌、肝内胆管癌、大腸癌

良性疾患:慢性膵炎

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PA(PSA)前立腺特異抗原

前立腺特異抗原(PSA)は、α1-アンチキモトリプシン(ACT)がα2-マクログロブリンと結合した結合型PSAと非結合の遊離型PSAが存在しその総和値を示している。

前立腺癌での代表的なマーカーである。最近では、前立腺癌では結合型(PSA-ACT)が増加すると言われており、PSA-ACTの選択的測定も注目されている。

高値を示す病態

悪性疾患:前立腺癌

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PAP(前立腺酸性フォスファターゼ)

酸性フォスファターゼ(ACP)はリン酸エステルを加水分解する酵素の中で至適pHが酸性側にある酵素の総称である。ACPは主に前立腺で合成されているため、男性ではその大半が前立腺酸性フォスファターゼ(PAP)である。

前立腺の触診や生検、膀胱鏡検査、尿道カテーテルの挿入などによっても高値になるのでこれらの処置を行った後の検体採取は避けた方がよい。

高値を示す病態

悪性疾患:前立腺癌

良性疾患:前立腺肥大症、前立腺炎

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HbA1c(ヘモグロビンA1c)

高血糖状態が長期間続くと、血管内の余分なブドウ糖は体内の蛋白と結合する。この際、赤血球の蛋白であるヘモグロビンとブドウ糖が結合したものをグリコヘモグロビンと言う。グリコヘモグロビンには数種類あり、この内のHbA1cは糖尿病と密接な関係を示す。

HbA1cは過去1〜3ケ月の平均血糖値を反映する情報で、一時的な生理条件に左右されることがなく、また、糖尿病の重症度と正の相関がある。

異常値を示す疾患

高値:糖尿病

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SP-D(サーファクタントプロテインD )

肺サーファクタントは、リン脂質と4種類の特異蛋白質を主成分とする生理活性物質で、主に肺胞II型細胞で生成、肺胞腔に分泌され、肺胞の虚脱を防止することによって呼吸機能を維持するとともに、気道-肺胞系の生体防御機能を担っている。

SP-Dは、肺胞蛋白症患者では増加し、特発性間質性肺炎などでは低下する。

異常値を示す疾患

高値:肺胞蛋白症

低値:特発性間質性肺炎、膠原病合併間質性肺炎

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KL-6(シアリル化糖鎖抗原KL-6)

KL-6はII型肺細胞上皮、呼吸細気管支上皮細胞、気管支腺漿液細胞などに発現しており、特に間質性肺炎では増生したII型肺上皮細胞に強く発現しさらに血中でも高値を示すことが報告されている。

肺外臓器の良性疾患では血清中の値はほとんど上昇しない。

異常値を示す疾患

高値:間質性肺炎群(特発性間質性肺炎、過敏性肺炎、膠原病性間質性肺炎)

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アンモニア

アンモニアは、体内の蛋白代謝過程でアミノ酸の分解によって生じるものと、 腸内細菌のウレアーゼ作用によって窒素化合物から生成されるものがあり、 大部分は肝臓内の尿素サイクルによって尿素に合成され、腎から排泄される。 アンモニアは有害な物質で、特に中枢神経系に強く働き、意識障害が生じる原因となる。 重症肝疾患では、腸管におけるアンモニアの産生が増加し、 肝臓の解毒機能が低下するため血中アンモニアが増加するので、肝性昏睡時の病態を把握するために測定される。

異常値を示す疾患

高値:肝性昏睡、肝不全、劇症肝炎、肝硬変末期、尿毒症、出血性ショック

低値:低蛋白食摂取時、貧血

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