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 平成13年度 研究実績一覧

  1. 高線量被ばくの病態生理に関する研究
  2. 体内除染剤研究
  3. 緊急時精密測定・評価システムの開発
  4. 放射線障害低減化研究(含防護剤)
  5. 緊急時環境汚染対応研究

I. 高線量被ばくの病態生理に関する研究

緊急被ばく医療研究センター: 平間敏靖、蜂谷みさを、安齋尚之、近藤久禎、河村砂織、高井大策、朴相姫、川口利華、高田康成、原田和美、堀本、角谷幸記
放射線障害研究グループ: 小池学、二宮康晴、大野香、山内友江、小池亜紀、大場基

研究成果

1)内因性ROSが細胞の遊走、分化、増殖などに重要な関与をしていることを見いだした。具体的には、

  • rasによる細胞の形質転換にROSが関与していることを示唆する所見を得た。

  • TPAにより細胞内に活性酸素を産生させた際に誘導される細胞遊走が、MnSODの導入により増強することが観察された。また、この遊走能の誘導は、MEK阻害剤により減弱した。

  • U937細胞のTPAによる分化が、MnSODにより抑制される、すなわちある種のROSに依存することを見いだした。また、この現象にもMEKが関与していることを明らかにした。

  • p53機能を欠失した細胞の、放射線照射によるG2/M期細胞周期停止が、カタラーゼの導入により短縮されることを見いだした。

  • ヒト白血病株HL60とその過酸化水素抵抗性亜株HP100を用いた解析で、カタラーゼ活性の高低が、細胞増殖能の高低と関連することを見いだした。これは、内因性の過酸化水素が細胞増殖に重要な役割を果たしていることを示唆している。

  • HeLa 細胞由来のミトコンドリアDNA欠損細胞で放射線照射後のPlating efficiencyの解析を行い、放射線感受性が低下していることを見いだした。

  • 培養細胞にX線や紫外線を照射すると、ミトコンドリアDNA中に大規模な欠失突然変異が生じることを確認した。

  • 皮膚由来の細胞株で、X線照射による細胞接着分子および細胞接着関連分子の発現を解析し、ICAM-1, E-カドヘリン, a-カテニン, b-カテニンの発現が誘導されることを見いだした。

2)テトラスパニンが、c-kit受容体チロシンキナーゼと複合体を形成することを見いだした。さらに、この複合体形成が、c-kitの刺激後のキナーゼ活性の上昇と細胞内への取り込みを抑制することを見いだした。テトラスパニンがサイトカイン受容体およびインテグリンのシグナル伝達に大きく関与している可能性が示唆された。

3)DNAチップによるスクリーニングの結果、調べた約1000種類の遺伝子のうち約70%がヒト皮膚ケラチノサイトで発現していた。また、X線照射により、発現が増加した遺伝子数が41個、発現が減少した遺伝子が16個見つかった。スクリーニングの結果得られたこれら遺伝子については、ノーザン法で発現の確認を行った後、順次、機能解明のための基礎情報を集めるための実験を開始した。

「放射線影響学会奨励賞」を授与された。(小池)
「放射線影響協会奨励研究助成」を受けた。(小池)
「文部科学省科学研究費」の助成を受けた。(小池)

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II. 体内除染剤研究

宇宙放射線防護プロジェクト: 福田 俊、飯田治三、Yan Xueming (上海薬物研究所,重点支援研究協力員)
緊急被ばく医療研究センター: 明石真言、平間敏靖、蜂谷みさを

研究発表

  1. Fukuda, S., Iida, H., Yan, Y. and Xie, Y.: Effects of CBMIDA on removal of uranium in rats. Biomarkers and Enrvironment, 4, Suppl.1 35-37, 2001.

  2. Fukuda, S. and H. IIda.: DTPA treatment for removal of inhaled plutoniumu nitrate in rats. Biomarkers and Enrvironment, 4, Suppl.1 66-69, 2001.

  3. Fukuda, S., H. IIda., Yamada, Y., Fukutsu, K.and Koizumi, A.: Effective timing of initial Administration of Ca-DTPA upon removal of inhaled plutonium nitrate in rats. J. Health Phys., 36, 25-30, 2001.

  4. Fukuda, S., Iida, H., Abe, Y. and Yoshida, H.: Effects of D-Penicillamine and Ca-DTPA on removal of radiocobalt in rata. J. Health Phys., 36, 323-328. 2001.

  5. 福田 俊、飯田治三、Yan Xueming, Xie Yuyuan:キレート剤CBMIDAのウランー238の体外除去効果。日本保健物理学会第35回研究発表会。2001.5.24-25。仙台。

  6. 福田 俊、飯田治三、小泉 彰:キレート剤DTPAの硝酸プルトニウムの最大除去率と治療による除去率の差。日本保健物理学会第35回研究発表会。2001.5.24-25。仙台。

  7. 福田 俊、飯田治三、小泉 彰:硝酸プルトニウムを吸入摂取した犬に対する人体適用基準のDTPA療法の体外排泄効果と副作用。日本保健物理学会第35回研究発表会。2001.5.24-25。仙台。

  8. 福田 俊、飯田治三:放射性セシウムに対するプルーシャンブルーの体外除去効果の再評価。日本保健物理学会第35回研究発表会。2001.5.24-25。仙台。

  9. 飯田治三、福田 俊:放射性コバルトの体外除去剤の評価。日本保健物理学会第35回研究発表会。2001.5.24-25。仙台。

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III. 緊急時精密測定・評価システムの開発

緊急被ばく医療研究センター: 野田 豐、明石真言、隈元 芳一
放射線防護安全部: 佐藤眞二
放射線障害研究グループ: 早田 勇、南久松真子、神田玲子、古川 章、鈴木晴子

研究成果

低バックグランド放射能測定装置の開発としては、ガードカウンタとなる特殊形状の大型NaI(Tl)検出器とその昇降台の設計を行い、導入した。本目的に適応できる信号出力方法となる大型NaI(Tl)検出器の信号処理回路の改良を行っている。また、特殊形状の大型NaI(Tl)検出器に合わせて主検出器となる小型液体シンチレーション検出器およびガスフロー検出器の検出部の設計を行い、検出部の機構を製作中である。

生物学的線量評価として培養上皮細胞では、至適条件で実験を行ってもPCC誘導率やPCC-Ringの出現頻度が末梢血リンパ球に比べ著しく低く、むしろ線量の指標としては染色体断片が適していることが明らかになった。また様々な機種の顕微鏡に対応できるようにオートステージ装置とその制御プログラムを改良し、同一のプログラムで顕微鏡画像取り込み装置を構築制御できるように改良を行った。

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IV. 放射線障害低減化研究(含防護剤)

緊急被ばく医療研究センター: 明石真言、川瀬淑子、近藤玲奈
レドックス制御研究グループ: 伊古田暢夫、安西和紀、古瀬雅子、石原弘、稲野宏志
放射線障害研究グループ: 相沢志郎、吉田和子、田中 薫、渡辺恵子

研究発表

  1. 古瀬雅子、石原弘、安西和紀: マウスへのX線全身照射における安定ニトロキシドラジカル(MC-PROXYL)の放射線防護効果、日本放射線影響学会第44回大会 ( 2001. 10. 29-31 大阪 )

  2. Anzai K., Furuse M., and Ishihara H. Radiation protection activity of MC-PROXYL, a stable nitoroxide radical, against whole body x-irradiation of mice. A Joint Scientific Meeting of The Society for Free Radical Research (Australia) and the Society for Free Radical Research (Japan). Nov.30-Dec.4, 2001, Veterinary Faculty Conference Centre, University of Sydney Main campus, Sydney, Australia.

  3. 安西和紀、根本正人、古瀬雅子、小澤俊彦、浦野四郎: 食餌による抗酸化能減弱マウスの作成とそれらへのX線照射効果、日本薬学会第122年会 ( 2002. 3. 26-28 千葉)

  4. Yoshida K., Hirabayashi Y., and Inoue T.: Calorie restriction reduces the incidence of radiation-induced myeloid leukemia. European Conference on Nutrition & Cancer. June 21-24, 2001, Lyon, France.

  5. Yoshida K., Hirabayashi Y., Sado T., and Inoue T.: Nutrition Status and Radiation Induction of Cancer in Mice. International Symposium on radiation and Homeostasis. July 13-16, Kyoto, Japan.

  6. 川瀬淑子、渡辺敏明、南久松真子、明石真言:線質の相違から見た放射線誘発骨髄性白血病マウスの研究:X線および重粒子線(ネオン線)による染色体異常の比較、日本放射線影響学会第44回大会 ( 2001. 10. 29-31 大阪)

  7. 川瀬淑子、明石真言:放射線被ばく治療薬としてのTPOの晩発影響、第63回日本血液学会 ( 2001. 4. 19-21 名古屋)

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V. 緊急時環境汚染対応研究

防護体系構築研究グループ: 藤元憲三、白石久二雄、サフー・サラタ・クマール、木村真三、西村義一、渡辺嘉人、石榑信人、仲野高志、松本雅紀、黒瀧克己

研究発表

  1. Dose Estimation Based on a Behavior Survey of Residents around the JCO Facility. K. Fujimoto, H. Yonehara, Y. Yamaguchi And A. Endo, J. of Radiat. Res., 42, S85-93 (2001).

  2. ウラン加工工場臨界事故患者の線量推定最終報告書、藤元憲三編 NIRS-M-153 (2002).

  3. 藤元、松本:JCO事故時の周辺通過者の線量評価、第35回日本保健物理学会研究発表会仙台、2001.5.

  4. 藤元、金盛、百瀬:行動調査とNa-24の全身計測による線量評価の比較、第35回日本保健物理学会研究発表会仙台、2001.5.

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