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平成15年度 原子力災害対応業務実績

放射線医学総合研究所は、中央防災会議「防災基本計画」により、緊急被ばく医療活動を行うこと、また、原子力安全委員会原子力発電所等周辺防災対策専門部会「緊急被ばく医療のあり方について」において、三次緊急被ばく医療の中核機関に位置づけられている。

平成15年度の原子力災害対応業務活動を以下にまとめる。

1. 現地への要員・機器の支援体制の維持・整備

(1) 放医研原子力防災訓練の実施

中央防災会議が決定した「平成15年度総合防災訓練大綱」に基づいて行う原子力災害に係る訓練の一環として、防災週間に以下の訓練を実施した。

  1. 所内原子力防災関係者間の緊急時通報連絡訓練
  2. 緊急モニタリング用資機材点検及び取扱訓練並びに模擬測定訓練
  3. 緊急被ばく医療に関する原子力防災訓練
    イ) 放医研救急車を使用した体内汚染患者受け入れ搬送訓練
    ロ) 放医研緊急被ばく医療診療チーム等による汚染検査、除染、治療等の体内汚染患者対応訓練
    ハ) 緊急モニタリングチームを参集し、緊急モニタリング用資機材の点検及び取扱訓練並びに模擬測定訓練を実施した。

2. 緊急被ばく医療施設の維持・管理

イ)  緊急被ばく医療対応時の記録・保存及び教育訓練時の記録・トレーニングに利用するため、プレゼンテーションシステムを設置した。
ロ)  国内では認可されていない薬剤も含めた体内除染剤等の更新、及び緊急被ばく医療における装具類等の更新を行った。
ハ)  緊急被ばく医療施設における被ばく患者の受け入れ体制を維持するとともに、緊急被ばく医療に関する測定器、医療機器の点検及び体内除染剤、キレート剤、ヨウ素剤等の点検を月1回実施した。
ニ)  モニタリング用の資機材の整備・維持、管理を行った。

3. 緊急被ばく医療ネットワーク会議の開催

平成16年3月26日、放医研で緊急被ばく医療ネットワーク会議を開催した。本会議は、平成15年度緊急被ばく医療関係活動報告及び放医研の今後の取り組み等について、報告及び審議を行うとともに、今後の緊急被ばく医療に対処する上で関係者が共有すべき情報交換を行った。また、緊急時に関係医療機関との連携を強化するため協力協定を締結し、迅速で的確な対応ができる協力態勢を構築するため、今年度は、日本医科大学と締結した。

4. 染色体ネットワーク会議

染色体による線量評価機能を有する全国9機関とネットワークを構築し、緊急時の対応に備えるとともに、これら機関への適切な支援と助言を行うことで、当該機関の技術の維持・向上を推進することを目的とする。今年度は、第1回平成15年5月19日、第2回平成16年1月26日、放医研で開催し、染色体ネットワークの体制整備、染色体標本作成法等について審議を行った。今後はより具体的な染色体ネットワークの構築について検討していくこととした。

5. 物理学的線量評価ネットワーク会議

本会議は、緊急時に対応するため、物理学的線量評価の専門機関が有機的に連携を図り、迅速かつ正確に線量評価を行う体制を整えるとともに技術の継承と後進の育成を図ることを目的とし今年度から実施された。

平成15年度は、第1回平成15年6月23日に放医研、第2回平成15年10月14日に青森県三沢市で開催した。主に緊急時において迅速で実効的な態勢を構築するため、関係機関間で協力協定を締結することで検討していくこととした。

6. 地域緊急被ばく医療連携協議会

放医研と原子力施設を有する地方自治体、医療機関と連携し、被ばく患者の発生数、傷病の程度、被ばくの形態等に応じ、初期、二次、三次被ばく医療機関間において、被ばく患者の診断、治療が迅速かつ実効的に機能する態勢を構築するため、福島県、茨城県において協議会を開催した。また、新潟県と担当者間において協議会開催のための打ち合わせを行った。

7. 原子力災害対応研修について

下記の研修において、年7回において講義及び実習を行った。また、セミナー等研修修了者に対するフォローアップの一環として、第1回緊急被ばく医療セミナー生涯教育講座を開催した。

・第50回緊急被ばく救護・訓練課程 (受講者数30名)
・第51回緊急被ばく救護・訓練課程 (受講者数30名)
・第52回緊急被ばく救護・訓練課程 (受講者数30名)
・第12回緊急被ばく医療セミナー (受講者数20名)
・第13回緊急被ばく医療セミナー (受講者数21名)
・第14回緊急被ばく医療セミナー (受講者数18名)
・平成15年度海上原子力防災研修 (受講者数26名)

8. 国及び地方自治体等の防災訓練への参加

国が実施した平成15年度文部科学省原子力防災訓練(佐賀県)について、事前に行われた打ち合わせに出席するとともに、訓練当日は、4名を佐賀県原子力オフサイトセンター等へ派遣し、文部科学省非常災害対策センター及び放医研との訓練に参加した。

その他、自治体が開催する訓練へ参加するなど、国及び自治体等の防災訓練に16件参加した。

  1. 原子力安全委員会緊急時助言組織構成員として現地派遣訓練及び視察 (新潟県)
  2. 原子力安全委員会緊急時助言組織構成員としてオフサイトセンター機能班別訓練
  3. 茨城県原子力防災訓練
  4. 北海道原子力防災訓練
  5. 愛媛県原子力防災訓練
  6. 原子力総合防災訓練(佐賀県)現地説明会及び事前訓練
  7. 政府における総合防災訓練
  8. 福井県原子力防災訓練
  9. 原子力総合防災訓練 (佐賀県)
  10. 神奈川県・川崎市合同原子力防災訓練 (通報)
  11. 神奈川県・川崎市合同原子力防災訓練
  12. 福島県原子力防災訓練
  13. 福島県原子力防災訓練 (原子力安全委員会)
  14. 鹿児島県原子力防災訓練
  15. 文部科学省原子力防災訓練 (茨城県)
  16. 横須賀市原子力総合防災訓練 (医療活動訓練)

9. 地方自治体等が主催する講習会、研修会における講義・実習

地方自治体等の講習会、研修会へ71件の協力を行った。

  1. 平成15年度第1期〜2期原子力防災専門官基礎研修
  2. 第40〜41回放射線防護基礎過程
  3. (株)ジェー・シーオー職員講習会
  4. 平成15年度原子力専門官研修
  5. 第58〜65回原子力防災基礎講座 (救護所活動)
  6. 平成15年度東京医科歯科大学医学部医学科公衆衛生学学外実習
  7. 福井県消防学校講演
  8. (社)日本看護協会 災害看護研修講義
  9. 鹿児島大学医学部附属病院放射線取扱者教育訓練
  10. 厚労省第24期生救命救急士養成研修
  11. 藤沢薬品工業(株)講演会
  12. 成田市消防本部主催N災害研修会
  13. 上期原子力防災専門官現地研修 (福井県)
  14. 成田市消防本部主催N災害研修会
  15. 上期原子力防災専門官現地研修 (北海道)
  16. 日本大学医学部RI講習会
  17. 放射線利用振興協会原子力体験セミナー [環境科学コースI]
  18. 新潟県緊急時医療講習会
  19. 上期原子力防災専門官現地研修 (大阪府)
  20. 第8〜10回原子力防災実務講座(救護所活動) 各2回
  21. 放射線利用振興協会原子力体験セミナー [生活科学コースI]
  22. 放射線利用振興協会原子力体験セミナー [環境科学コースII]
  23. 第7回放射線事故医療研究会
  24. 緊急被ばく医療全国拡大フォーラム
  25. 放射線利用振興協会原子力体験セミナー [生活科学コースII]
  26. 宮城県消防学校 初任総合教育(第7期)講演
  27. 日本原子力研究所第30回原子力入門講座
  28. 日本原子力研究所第45〜46回原子力防災対策講座
  29. 国立病院災害医療研修会
  30. 保健所管轄別課題研修事業研修会 (鳥栖保健所)
  31. 茨城県認定看護管理者セカンドレベル教育講演
  32. 鹿児島県原子力救護研修会
  33. 第8回横須賀市医師会災害救護訓練講演
  34. 国立保健医療科学院 病院管理研修講義
  35. 日本産業衛生学会放射線原子力保健研究会講演
  36. 警察大学校専科「NBCテロ対策」 講義
  37. 佐賀県緊急被ばく医療対策講習会
  38. 福島県「緊急被ばく医療活動講習会」
  39. 日本原子力研究所指導教官研修(タイ原子力庁向け)講義
  40. 茨後県立水戸看護専門学院講義保健福祉行政論
  41. 島根県保護環境センター講演
  42. 原子力安全研究協会緊急被ばく医療「静岡フォーラム」
  43. 原子力安全研究協会緊急被ばく医療「茨城フォーラム」
  44. (財)日本原子力文化振興財団第52回専門講座 (放射線の基礎)
  45. 宮城県総務部消防課主催講演
  46. 厚労省放射線防護研修会講義
  47. 下期原子力防災専門官現地研修講演 (神奈川県)
  48. 下期原子力防災専門官現地研修講演 (福島県)
  49. 千葉市消防学校救急標準課程
  50. 厚労省第3回災害医療従事者研修研修会
  51. (財)原子力安全技術センターエネルギー・原子力に関する講座 (報道関係者対象)
  52. 消防職員対象緊急被ばく医療講習会 (福島県)
  53. 北海道原子力防災研修会 (消防関係)
  54. 原子力安全基盤機構下期オフサイトセンター運営研修「机上訓練」
  55. 第74回日本衛生学会総会ミニシンポジウムVI

10. 国内における委員会等の専門家派遣

国内における42の委員会等への参加を行った。

  1. 原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会被ばく医療分科会委員 (第11〜12回)
  2. 原子力安全委員会 緊急技術助言組織及び原子力艦災害対策緊急技術助言組織委員 (第1回)
  3. 原子力安全委員会 緊急技術助言組織グループ別活動検討会(医療グループ)委員
  4. 原子力安全委員会 原子力艦災害の技術的事項検討タスクフォース専門委員
  5. 原子力安全委員会 安全研究成果報告会 (第3回)
  6. 文科省研究炉等安全規制検討会委員 (打合せ会、第9〜12 回)
  7. 文科省INES評価ワーキンググループ委員 (第1回)
  8. 厚労省電離放射線障害の業務上外に関する検討会委員 (第1〜3回)
  9. (財)原子力安全技術センター原子力総合防災訓練評価審議会委員
  10. (財)原子力安全技術センター原子力防災研修部会委員 (第1〜3回)
  11. (財)原子力安全技術センター原子力防災研修事業教材作成ワーキンググループ委員 (第1〜3回)
  12. (財)原子力安全技術センター原子力防災研修事業救護所活動講座テキスト検討サブグループ委員 (第1〜3回)
  13. (財)原子力安全技術センター原子力防災研修事業原子力防災用語集作成サブグループ委員 (第2 〜5回)
  14. (財)原子力安全技術センター緊急被ばく医療に係る防災訓練のあり方検討委員会委員 (第1〜5 回)
  15. (財)原子力安全技術センター救護所活動講座講師連絡会
  16. 島根県原子力防災訓練に係わる訓練評価委員
  17. 原子力安全研究協会緊急被ばく医療対策専門委員会委員 (第3回)
  18. 原子力安全研究協会医療支援構築委員会委員 (第1,4回)
  19. 原子力安全研究協会ヨウ素剤取扱検討委員会委員 (第1〜2回)
  20. 原子力安全研究協会実務用語集検討委員会委員 (第1〜2、4〜6回)
  21. 原子力安全研究協会被ばく医療マニュアル委員会委員 (第2回)
  22. 原子力安全研究協会福島地区緊急被ばく医療ネットワーク調査検討会 (第4回)
  23. 原子力安全研究協会青森地区緊急被ばく医療ネットワーク調査検討会 (打合せ会)
  24. 原子力安全研究協会静岡地区緊急被ばく医療ネットワーク調査検討会オブザーバー (第1回)
  25. 原子力安全研究協会システム検討委員会委員
  26. 原子力安全研究協会緊急被ばく医療対策実態調査専門委員会委員 (第1〜3回)
  27. 原子力安全研究協会「緊急被ばく医療関係者実務研修事業」情報連絡会委員
  28. 原子力安全研究協会「緊急被ばく医療ネットワーク調査検討会」オブザーバー (3回)
  29. 原子力安全研究協会緊急被ばく医療「全国ネットワーク調査検討会」
  30. 原子力安全研究協会海外事情調査検討委員会委員
  31. 原子力安全研究協会原子力防災研究会緊急被ばく医療ネットワーキンググループ委員 (3回)
  32. 原子力安全研究協会ヨウ素剤服用数値基準運用モデル検討合同会議委員 (第1回)
  33. WHO(REMPAN)対応に関する打合せ (2回)
  34. 千葉県原子爆弾被爆者医療審査会委員 (7回)
  35. NBCテロ事案に係わる千葉県総合健康安全対策ネットワーク打合せ (1回)
  36. 茨城県JCO事故対応健康管理委員会委員 (第1回)
  37. 茨城県原子力防災連絡協議会幹事会 (第12回)
  38. 福島県防災会議原子力防災部会委員 (1回)
  39. 福島県緊急被ばく医療対策連絡会議 (第2回)
  40. 青森県緊急被ばく医療検討委員会 専門部会委員 (第5回)
  41. 緊急被ばく医療体制に関する検討会
  42. 成田NBCテロリズム対策研究会(世話人会、WG打合せ会、公開勉強会)

11. 被ばく医療に関する情報の収集・発信

  1. ロシア生物物理研究所が保有している急性被ばく患者の治療データを128件入手した。今後、データベース化して我が国における急性放射線被ばく患者の治療に備える。
  2. ファイルドキュメンテーションシステムに第5福竜丸をはじめとする事故例の資料の保存作業を行った。
  3. ビキニ被災者、トロトラスト、JCO事故被ばく者等の追跡調査を行い、被ばく医療データを集積した。
  4. WHO/REMPANのデータベースとの互換性を担保しながら、データベースの基本部分を構築した。

12. 調査等

  1. 中国放射線被ばく患者医療データベース構築のための情報収集を実施した。
  2. REAC/TS(米国)の「放射線事故における保健物理講習会」及び「緊急部要員による放射線事故対応講習会」に職員3名を派遣した。
  3. 緊急被ばく医療の現状に関する打ち合わせ(静岡県)を実施した。

13. 過去の被ばく事故例の追跡、実態把握、医療相談等

  1. 過去の被ばく事故例の追跡、実態把握
    ・ビキニ被災者の定期的追跡調査 7人
    ・トロトラスト沈着症例に関する実態調査 1人
    ・JCO事故の患者の追跡健康調査 1人
    ・八日市場市の軟X線発生装置による右手被ばく事故 3人
    ・長崎県の非破壊検査による右手被ばく事故 1人
  2. JCO事故関連周辺住民等の健康診断および健康診断結果相談会
    ・東海村・那珂町住民の健康相談・診断を行った。
    ・住民等の健康診断結果について説明と相談を行った。

14. 医療相談

・医療被ばく、胎児への影響及び職業上の被ばく等に関連した健康相談 48件

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