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2.放射線事故の医療的側面に関するデータベース構築
■ 施策の目的、内容
放射線事故は希であるため、被ばく患者の治療方針の決定や予後の判定や治療法の改良ないしは確立のためには、1件1件の事例から最大限の情報を引き出し、またその情報を集積することが重要です。
日本にも第五福竜丸や、1999年に起きた東海村臨界事故をはじめとする事故例がありますが、緊急時に医師が直ちに利用できる情報としては整備されていませんし、症例数も十分であるとはいえません。このため、放医研において、これらの被ばく医療症例をデータベース化するとともに、海外の被ばく事故医療の経験を有する国との情報交換により、多くの症例をデータベース化できれば、わが国における緊急被ばく医療を迅速かつ的確に行ううえで有用であると考えられます。
現在世界にはいくつかの放射線事故ないしはその患者についてのデータベースが存在しますが、他国が十分に利用できる体制にはなっていません。米国REAC/TS(放射線緊急時のための支援センター・訓練施設)が持つ事故のデータベースの他、WHOの指導のもとにREMPANと呼ばれる組織が国際的に形成され、放射線事故情報を交換しています(ロシア、ドイツ、フランス、米国が中心)。
REMPANは患者情報についてのSEARCHデータベースをウルム大学に拠点をおいて運営していますが、そこでは、チェルノブイリ事故をはじめとする事故症例を登録し、国際的なデータベースを構築することが試みられています。放医研では、我が国で起こった第五福竜丸事故をこれに登録すると同時に、国際的な事故情報を我が国の被ばく医療にするために、放射線事故症例の多いロシア、中国の症例をデータベース化しつつあります。
また放医研では、これらの情報をもとに、アジアにおける原子力災害時に指導的な役割を果たす拠点となることを視野に入れています。WHO/REMPANデータベースとの協力やその他の諸外国の被ばく医療専門家との協力経験から、今後内外の被ばく事例についての情報収集・整理を進め、被ばく医療関係者に有用な情報提供を行っていきます。
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