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平成18年12月4日掲載
(平成23年11月、一部修正)

英国で発生したポロニウム210事件に関する情報

英国において発生した事件はポロニウム210という放射性物質が関係しており、我が国においても非常に関心が持たれている。英国の健康保護庁(HPA)はポロニウム210に関する情報をウェブサイトに掲載している。

放医研でも下記の一般的な情報を纏めました。

【ポロニウム210】

ポロニウム210は自然環境中にも少量存在する放射性核種であり、主に魚類、野菜に含まれているために、人体に10Bq程度存在している。 また、人工的にも原子炉を用いてビスマスより製造される。ロンドンで発生したポロニウム210による被ばくは非常にまれな被ばく事件である。ポロニウム210はその崩壊に伴って99.99%の割合でアルファ線を放出するアルファ線放出核種であり、0.001%の割合で放出されるガンマ線は無視できる程度である。ポロニウム210は工業分野における静電気除去やアイソトープ電池、核爆弾の起爆剤に利用される。

【ポロニウム210の人体への影響】

ポロニウム210は口や鼻、傷口を通して、体内に取り込まれた場合にのみ、人体に健康影響を与えることがある。身体の外に存在する場合には、その放出されるアルファ線が皮膚の表面で遮られ、細胞を傷つけることが無いため、人体に影響を与えることはない。手や顔などに付着している場合には注意深く水で洗うことにより、ポロニウム210を取り除くことができ、人体に影響を及ぼすことは無くなる。

ポロニウム210が口や鼻、傷口を通して体内に取り込まれた場合、数百ナノグラム (数x10-7 g) の体内摂取量で死亡する可能性がある。

経口摂取すると、まずは、便に数日内に多量に排泄される。その後は血液中に取り込まれた成分が徐々に尿に排泄されることとなる。従って、英国において、ポロニウム210の内部汚染が懸念される人は、1日分の尿を採取し、その中に含まれるポロニウム210の量を測定している。

【ポロニウムに汚染した人に接触した時の危険性】

ポロニウムによる内部汚染患者の近くに行っただけでは放射線を受けることは無い。

【ポロニウムに汚染した人が居た場所を訪れた時の危険性】

ポロニウムによる内部汚染患者が汚染を広げる可能性のあるものは便と尿だけである。汚染患者からの汗や唾の飛沫により周囲が汚染することは無い。内部汚染患者が外部汚染も伴っているか、放射性物質を体外に持っていなければ、内部汚染患者が過去に居た場所が汚染されることは無い。従って、内部汚染患者が居た場所を訪れても全く放射線を受ける危険性はない。

【ポロニウムに関する一般的な留意事項】

  1. 二次汚染の可能性は非常に低い。

  2. 二次汚染があっても量は非常に少ない。

  3. ポロニウム210は衣服や皮膚に付いていても、崩壊の際に99.9%がアルファ線しか放出しないため、身体へは全く問題は無い。

  4. ポロニウムを口や鼻、傷口から体内に取り込むと内部被ばくを起こす。

  5. 自然界にも存在しており、食品等を通して、我々は絶えず、摂取している。


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