原子力施設付近の環境水トリチウムデータベース(1967年〜1980年)


 日本の原子力施設周辺のトリチウムサーベイ

    放医研では1967年より、国民の健康保全に寄与することを意図して、日本各地の原子力施設周辺の環境水中トリチウムレベルを把握するために「トリチウムサーベイ」を開始しました。調査は福井県敦賀市と美浜町地域から始まり、1980年までに全国12ヶ所の商業用原子力発電所と5ヶ所の原子力産業施設へと広げました。1967〜1976年の測定値は"Radioactivity Survey Data in Japan NIRS-RSD-44 (1978)に、また1977〜1980年の測定値はNIRS-RSD-56 (1981)にそれぞれ報告されています。
     多くの場合採水の頻度は年に1〜2回に限られましたが、トリチウムレベルの経年変化を観測・記録することを目的としたため、環境水中のトリチウム濃度が季節変化することを考慮して、地域毎に採水の時期と場所は固定することに努めました。採取する水試料は、基本的に下記の種別に従って選択しました。

 a)流水、河川水、ため池、井戸水などの陸水で、原子炉の第一次冷却水や施設内の蛇口水の原水として用いられているもの
 b)第二次冷却水の取水口や放水口で採取できる海水
 c)原子力施設周辺地域の蛇口水
 d)上記3種の試料と比較する基準レベルを得るために、施設からやや離れた地域から採取した陸水・海水・蛇口水


     トリチウム濃度が3.7 Bq/l以下と予想される試料は電気分解により同位体濃縮を行い、大容量の測定バイアルを用いる液体シンチレーションカウンタAloka LB 600またはAloka LSC-LB 1で測定しました。100mlのテフロンバイアルを用い、45mlの試料水と55mlの乳化シンチレータを混合して作製した測定試料では、トリチウムの計測効率は12%で、バックグラウンドの計数率は4.5cpmでした。
     データを概括すると、全ての原子力施設周辺の陸水や蛇口水において、放出されたトリチウムが測定データに反映している、というような如何なる痕跡も見出すことはできませんでした。 北東日本にある福島県と茨城県では、河川水、流水、池水などのトリチウム濃度が1971年に約9-15 Bq/lだったものが1980年には約2-4 Bq/lまで、半減期約5年で指数関数的に減少しています。南西日本にある福井県、島根県、佐賀県では、1971年の約7-11 Bq/lから1979年の約2-5 Bq/lへ、同様に約5年の半減期で指数関数的に減少しました。
     施設の取水口で採取したか、あるいは放水口から遠く離れた海岸で採取した海水は、原子炉や施設の排水の影響を受けることはほとんどないとみなされます。これら沿岸海水のトリチウム濃度は1971年の1-4 Bq/lから1979年の0.4-2 Bq/lまで半減期約6年で減少しました。
     原子力施設周辺の蛇口水のトリチウム濃度は河川水と同じか低いくらいでした。

     放医研では、測定技術の質の向上と維持管理のために、IAEA(国際原子力機関)の主催する、低レベルトリチウム分析に関する相互比較事業に参加しています。

     放医研のウェブサイトにアクセスしデータを利用することは自由ですが、必要に応じて、文書中には引用記述をお願いします。またデータの利用は非営利目的の場合に限ります。

データを公表した印刷物
1) Radioactivity Survey Data in Japan, NIRS-RSD-44 (1978)
2) Radioactivity Survey Data in Japan, NIRS-RSD-56, ISSN 0441-2516 (1981)

※本測定調査は、旧科学技術庁(文部科学省)放射能調査研究費により実施されました。

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