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線量計算 自然起源放射性物質
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  自然起源放射性物質(NORM)とは? 

  「核種」とは原子核の種類のことで、なかでも放射線を放出するものを放射性核種といいます。放射性核種は、「人工で生成されたもの」(人工放射性核種)と、「自然を起源としたもの」(自然起源の放射性核種)があります。自然起源の放射性核種は、起源の違いによって「地球形成過程で宇宙空間から地球に取り込まれた放射性核種」と「宇宙線によって自然に生成される放射性核種」に分けられます。人工放射性核種を含む物質を人工放射性物質といいます。自然起源の放射性核種を含む物質を自然起源放射性物質(NORM:Naturally Occurring Radioactive Materials)といいます。


地球形成過程で宇宙空間から地球に取り込まれた主な自然起源の放射性核種

K-40
Rb-87
La-138
Sm-147
Lu-176
Th-232系列
U-238系列


宇宙線によって自然に生成される主な自然起源の放射性核種

H-3
Be-7
Na-22
C-14
Cl-36
 地球誕生時、地球には自然起源の放射性核種が多く存在していました。それらの自然起源の放射性核種は、様々な放射線をだして壊変し、最後には放射線を出さない安定した核種になります。しかし、放射性核種ごとに安定な核種になる速さが違うため、安定した核種になる速度が遅いものは地球誕生から46億年過ぎた現在でも残っています。そのため、現在、地球を構成するすべての天然資源(主に土壌や岩石や鉱石)には、地域や物質で差はありますが、自然起源の放射性核種が含まれています。
 通常の土壌や岩石などに含まれる自然起源の放射性核種は、野菜や家畜など食物を介して人体に取り込まれるため、人体にも自然起源の放射性核種は少なからず含まれています。
  自然起源放射性物質の現状と問題点 
 現在のところ、どのような物質がどの程度の放射能濃度を有していて、それを利用したときにどの程度の量の放射線を受けるのかについては全容が明らかになっていません。もし産業用で使用されている物質が高い放射能濃度を有していた場合、その作業者が知らずに多量の放射線を受ける場合があります。また、低い放射能濃度の物質であっても生産工程で製品、副産物、廃棄物などに自然起源の放射性核種が濃縮されてしまい、多量の放射線を受ける恐れがあります。そのようなことを背景に、国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告において、自然起源放射性物質の産業利用によって受ける放射線を、職業被ばくとして管理する必要性が示され、自然起源放射性物質の規制に関する国際的な規準が整備されつつあります。我が国においても自然起源放射性物質の利用に関する規制方針が検討されています。わが国規制方針については、「自然起源放射性物質の安全確保に関するガイドライン」をご覧ください。
 自然起源放射性物質は、人工放射性物質のように大量の放射線がろうえいして急性障害がでるような事故は起りませんが、発ガンや遺伝性障害の発症のリスクを少し増加させる可能性があります。放射線の影響については 「放射線の影響」をご覧ください。
  放射線医学総合研究所の活動 
 放射線医学総合研究所規制科学研究プログラムでは、「国民に正しい情報を提供すること」と「わが国および各国の研究・規制機関に規制管理に必要な学術情報を提供すること」を目的として、自然起源放射性物質の放射能濃度や被ばく線量の実測データや文献データをデータベース化して公開しています。また、自然起源放射性物質の利用によって高いレベルで被ばくするようなケースに対応するために、自然起源放射性物質による被ばくを低減させるような方法を研究しています。
 
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